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『 1年2組 学級日誌 』 (新長編小説)
・・・半世紀前の女子高校の学級日誌・・・
(昭和47〈1972〉年4月~48年3月まで)
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【2月20日(火) 晴 49番 M・S】
たぶんこれが私が書く
最後の日誌になるでしょう。
一年生もこれで終わり。
ちょっぴり淋しい気がします。
最後だからちょっぴり
しめっぽくなって書きます。
「この一年で得たこと」。
私が生徒会の会長に
立候補した時だけです、
M先生と真面目な対話をしたのは。
後にも先にもあれが
一度きりでした。
55人と先生1人。
1人ひとりと話すのは無理でしょう。
何もM先生に話せなかった
私もいけないのです。
けど、やっぱり心のふれ合いが
なかったように思います。
私と37番と39番が
反発的だったのは事実です。
「パーマ」のこと
(指導部長説諭・
保護者召還・
反省文提出)にしろ
「早弁」
(学年主任説諭)にしろ、
まだまだいろいろ
あったように思います。
何故私達はあんなにも
反発的だったのかな?
「思春期」だからと、
何かの本には書かれてあった。
今も「思春期」だから、
反発的かもしれません。
「この一年間で得たこと」としては、
「人間の心は分からない。
人の心はつかめないもの。
先生と生徒には溝があったこと。」
これが先生という人から
受け取った断片的なことです。
(まだ、反発的ですね)。
ゴメンナサイ!
話しは変わって、
「エコヒイキ」は
あると思いますか?
反発すればにらまれる、
影で何やっても
表明だけ温和しくしていれば分からない。
これがこの世で
はびこっている事実かも、
分けの分からないことを
書いてしまった。
私は、
「真実を斜めから見ている」
のかな?
斜めから見ているとすると
なんて可哀想な心なのかしら……。
明るい話し に変わりましょう。
ホットミルクを見直したのです。
寒い日なんかクッキーと一緒にしたら、
とても美味しいです。
M先生も無理に
身体に悪いお酒なんかやめて、
ミルクで通すほうがいいですよ。
ミルクもおいしいですからね。
ミルク、ばんざい!
私の好きなもの。
チョコレートパフェ、お好み焼き、
レモン、ハンバーグ、ケーキ、
スパゲティ、グラタン、お寿司、
クッキー、コーヒー、ピザ、ギョーザ、
ポックコーン、ミルク、お肉、
豚まん、たこ焼き、紅茶、
ソフトクリーム、大福……。
みんな太るもの。
これ以上太ったら
お嫁のもらい手なくなっちゃう。
いい人がいたら、
今すぐでも結婚しちゃうもんね。
相手は今22才位で
私が18才になったら24才
6才違い……これくらいで手を打ちたい。
私は子供は4人ほしい。
男2人女2人それにパパさんの6人家族。
私のパパさんになる人は、
きっと私のオシリに
碾かれているかもしれない。
そして私とは反対に
ガリガリコリコリだったりして。
これは、私よりM先生の方が
先にお嫁さんを貰わなくっちゃね。
誰かいないのですか?
お嫁さん候補!
話しは変わって、
今
「江戸川乱歩」の小説を
読み続けています。
どの小説も面白いですね。
吸い込まれますね。
そして、こんだけ
人を食った話しはありませんね。
それから、古代の
「大陸」に興味をもっています。
「ムー大陸」「インカ大陸」
「アトランチス大陸」
「レムリア大陸」「マヤ王国」……。
話し変わって、
この間 クラスの数人と映画
「ロミオとジュリエット」を見てきました。
良かったです。
本当に良かったです。
あんだけ美しいものを表現出来るなんて
素晴らしいことです。
愛するのが美しいのかもしれません。
以上でおわりです。
追伸
・・・特別出演・・・
私は49番の「M・S」
「 双子の妹 」です。・・・
公立高校 に行ってます。
姉の借りてくるJK高校の図書の本、
私もいつも読んでます。
ありがとうございます。
このクラスの
「 学級日誌 」楽しそうですね。
私の学校のクラスにもあれば、
どんなに良かったでしょう。
この日誌に変わるものには、
「 学級日記 」がありますが、
その日の「 授業の時間割 」と
進んだページを書くだけです。
書きたいことは多いけど、
それを書いたら 怒られ
にらまれるだけです。
そう思うと、
臆病な私達(同じクラスの生徒達)は、
書けなくなるのです。
私達を 臆病にする学校 もあるのです。
「長いものには巻かれろ」主義、
それが、
「真の高校生活」であるのか
疑問です。
M先生は いい人ですね。
いい人は いいですね。
以上
・・・特別出演・・・でした。
さようなら。
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昨日、社会科のI先生に
男子ご誕生
という目出度い事がありました。
I先生は、
2児の男の子のパパである。
そうそう、
今月(2月)の1日には、
同じ科の
T先生に
女子ご誕生があって
2児の女の子のパパである。
世の中なかなかうまく行かない。
I先生は、女の子の出産を、
T先生は男の子を望んでおられた。
まったく逆になった。
こんなに科学が進んでも、
男女の出産の生み分けは出来ない。
まあ、このことは
「神様」の世界で
人間が踏み込んでは
ならないのかも知れない。
職員室では、このところ
赤ちゃん誕生やご結婚など
お目出度いことが続き
話題に事欠かない。
「特別出演」の 妹さんに
お礼を言います。
「M先生はいい人ですね。
いい人はいいですね」
と書いて頂き
嬉しく思います。
あなたの言い方は 川端康成の
『 伊豆の踊子 』で、
これと同じ 台詞があります。
主人公の踊り子と
その姉が山道で
相手の学生のことついて
話している場面で、
学生の耳にかすかに聞こえてきた。
「いい人ねぇ。」
「そうねぇ。いい人ねぇ。」
「いい人はいいねぇ。」
この言葉で学生は、
純粋 で 素直 な気持ちになります。
そして、この言葉が言える人も、
本当に 純粋 なんだと思います。
「ありがとう 妹さん、
あなたは いい人ですねぇ」
以上