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『 1年2組 学級日誌 』 (新長編小説)
・・・半世紀前の女子高校の学級日誌・・・
(昭和47〈1972〉年4月~48年3月まで)
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【9月29日(金)雨が降りそうなので
傘を持ってきのに曇 30番D・F】
何を書こうか、
とみんなも書いていることを私も書きます。
ソーダ!!
この前のHR(ホームルーム)の時、
私はM先生の話し
(男女の性の違い)
に耳を傾けていたけれど、
なんだか、とても、
ボンヤリしていたように思う。
何故か? ショック だったから。
本当にとてもショックだったの。
でもあの日の帰り、
中学時代の親友と会ってその話し、
つまり、
“男の子は性欲の相手として女の子と付き合う”
って感じのこと。
その子は男女共学公立校で、
そんな事を男の子達と
話しをした事があるって言うの。
これは参考にしなくちゃいけないと思い、
深く深く追求したんです。
そしたら、これは、
男の子でも一部だけかもしれないけれど、
男の子が言うには、
「僕は女の子を好きになった時、
鳥を鳥かごの中に入れて
外からじっと見守っているって感じで、
その子に手を出すことは
絶対に出来ないし、
もちろん他人に
触れさせることもさせないよ」
って言ってたよ。
“女の子が純粋に男の子を恋するように、
男の子も割とロマンチックなんとちがう?”
って言ってくれたの。
もちろん男の子が全部が全部そうであるとは思わないけど、
それと同時に男の子が性欲だけで動くっていうのも、
一部だけなんじゃないかな?
少なくとも私は
そう信じたいのです。
私って、ダメ。
男の子の話しになると、
目の色が変わるもん。
今、上で(二階兄貴の部屋)
赤い鳥の
「竹田の子守歌」
がかかってる。
あれは私のレコードなのだ!!
ウチのニイチャン勝手で、
私の所有物を人に貸してあげるんよ。
今日やっと返してもらったと思ったら、
もうかけている。
ホントに兄貴なんてものは
ジャマッケなだけで、
相談にも乗ってくれないし、
お小遣いもくれない
(と言っても17才だから仕方ないかな?)
とにかく絶対に
姉貴の方がイイに決まってる。
絶対に!!
ツルゲーネフの
『初恋』
読んだことある。
二年前の私には、
ちょっと難しい本だった。
けど、この間(夏休み)
映画を見てもう一度読んだら、とても良かった。
良かった理由はもう一つ、
主演のジョン=モルダーブラウン
(19才。答辞何才か分からない)の素敵だったから。
役がいいのか、
俳優がいいのか、
はっきりはしないけど、
とにかく感動がありました。
反省のコーナー・・・・・・
入学して以来忘れ物が多すぎるので、
反省はしていますが、実行できない。
結局反省はしてないのかな?
言うことと行いが伴わない人って、
私は嫌いだ。
だから自分が嫌い。
人に不平を言うけれど、
自分が言われると腹が立つ。
(自己嫌悪に落居っている。)
でも、これだけ未完成な人間も
少ないと思う。
今(11時10分)から
深夜放送に夢中になる時間。
タクローの
「フォークヴィレッジ」
生意気な言葉使いで
ベラベラしゃべりまくる。
耳障りでも聞こう。
11時25分ヤングタウン約してヤンタン、
金曜日無事に
ユーチャンまだやっているかな。
1時30分待ちに待った
チンペイのチャチヤヤング。
甘く優しい声だけど、
顔見てガッカリ。
でもラジオ、
顔見えないチンペイは得してる。
もう眠くなってきた。
おやすみ。
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HRのことから、
君の親友の発言
「僕は女の子を好きになった時、
鳥を鳥かごの中に入れて
外からじっと見守っているって感じで、
その子に手を出すことは絶対に出来ないし、
もちろん他人に触れさせることも
させないよ」
の事だけど、
本当にその通りだと思う。
その発言には、
嘘いつはりはありません。
男子には、女子を他の悪者から守ろうとする
騎士道(きしどう)があって、
自分はどうなってもいいから、
女子を守ろうとする。
そして、女子の素晴らしさを
そのまま守ろうとするし、
育てようとする。
それは、男子の素晴らしい点だ。
しかし、君の親友の発言を、
もう一度読み返してごらん。
最初に
「僕は女の子を好きになった時」
ってある。
そうなんだ。
男子が女子を
本当に好きになった時、
騎士道になるし、
手を触れることも出来なくなる。
ところが、
相手のことを好きでも何でもないのなら、
どうだろう。
これが問題なのだ。
男子の心の中には、
騎士道と性欲 が交差して
同時に存在している。
その二つのどちらが
表面に出てくるかと言えば、
それは、
相手の女子の態度 によって左右される。
女子が
「レディー淑女(しゅくじょ)」の態度か、
「クズレタ娼婦(しょうふ)」の態度か
で決定する。
女子の服装や言葉使いが
不真面目「クズレタ」態度であるならば、
性欲の方が優先する。
だから、学校や家族が、
女子にだけ厳しく
躾(しつけ)をしようとする。
君の家庭でも、
君のお兄さんに対する言い方や内容と
君に対する言い方や内容が違っているのは、
そのためだと思う。
心も体も傷つかないためにだ。
ツルゲーネフの
『初恋』
何度も読みました。
映画は見なかった。
残念。
以上
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