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『 1年2組 学級日誌 』 (新長編小説)
・・・半世紀前の女子高の学級日誌・・・
（昭和47〈1972〉年４月～４８年３月まで）
【６月１４日(水)晴れ ４８番M・M】
日誌を書く日が次々と過ぎ去り、
とうとう私の番になってしまいました。
日誌を書く日を待っている日々が
とても憂うつで、
もうすぐ私の書く番になると思うと、
足がガクガクしてしまい、
今、日誌を受け取り
「サァー」何を書こうかと
あれこれと考え込んでしまいます。
でも、ようやくできたようみたい。
クラブのことなんですが、
私気が弱いのか、
一人でクラブに入部するのは
気が進まない。
そのクラブは
「美術クラブ」
のことなんです。
この学校に入学する前に
面接があった時、
「美術を続けていきますか？」
と尋ねられた時、
どうしょうかと迷っていたのに
「ハイ！続けていきます。」
と言ってしまった。
今も私自身迷っていて、
不安で、美術のことなんか忘れてしまって、
いっそのこと
他のクラブに入部しょうか
と考え込んでいます。
でも先生が
「卒業の時、
君は三年間何をしたのか
と尋ねられたら、
○○をしました。
と言えるようになろう」
とおっしゃったことを聞いて、
また前の気持ちに戻して
考え直してみようと思っています。
ただ、私の悪い所は、
すぐに飽きてしまうことです。
１年間やり通せるか心配です。
こんな嫌な話しは
これぐらいにします。
私は中学２年の時、
ある男の子に
「お前、足短いね！」
と言われ、
それから１年間「足が短い」とか
「足短か」と言われ、
三年の時は、
その言葉もましになり、
この学校に来ました。
また、この頃
「足が短い」
と言われるようになり、
腹が立っています！！
それともう一つ
「ゴロー」
と呼ばれることです。
それはつい最近、
「歌手の野口五郎に似てるね」
と言われ、
それから
呼ばれるようになりました。
でも、
「足短か」と呼ばれるより、
「ゴロー」と呼ばれたほうが
良い気がしています。
私の癪（しゃく）にさわる、
悔しいこと。
それは、妹が
私より背が高いのです。
こんな嫌なことはありません。
まあ、聞いてください。
妹は、１m６０㎝もあるのです。
それなのに私はわずか
１m３０㎝なのであります。
私の両親から
「お姉ちゃんが
一番背が低くなるのではないか」
と未来のことを予想して
言われると泣きたくなります。
背が高くなるよう
「ガンバッテ」います。
私は不意に友達に
「私、冷たい感じがする？」
と尋ねることがあります。
私の顔を見ていると、
冷たい感じがするのですが、
尋ねると
「何も感じないよ」
と言ってくれます。
でも、男の子が見て、
私は冷たい感じがする
のではないか、と思ってしまい、
いやになります。
もう、書くことが
思いつかなくなってきました。
私は、話すことも書くことも
文を作ることも下手なので、
変な文章になり、すいません。
アヤマリマス。
でも、なんだか、
気持ちよくなったような気がします。
思っていることを、
書きつづると、なんとなく、
いつもの気分より、
気持ちがいいてす。
読まれた時のことを思うと、
少し照れくさくなってしまいます。
書くことないから、
本当にやめます。
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人には誰でも
悩みやコンプレックスがあります。
どんな人間だって、
大なり小なりあります。
ぼくなんか、
大量にあります。
背が低い・足が短い・顔が悪い・
色が黒い・頭が悪い・
トンマで、オッチョコチョイで、
物忘れがひどいｅｔｃ……。
このノートに
書ききれないほどある。
でも、ぼくは、
暗い人間になっているかな？
冷たい人間になっているかい？
みんなそうは言わないよ。
面白くて明るい、と言う。
何故か？
第一、
悩みやコンプレックスは、
気にしない事。・・・
自分の出来る別なことに全力を傾け、
吹き飛ばしてしまうこと。
第二、
自分の心に
壁や垣根を作らない事。・・・
一人でふさぎ込むのではなく、
自分の心を開き、
人の心の中に入っていけるようにし、
人に何でも話し聞けるようにする。
第三、
いつも、
顔と心に
笑（え）みを持つ事。・・・
自分から努力して明るく振る舞う。
第四、
この世の万物
（ばんぶつ・すべてのもの）を
愛する事・・・
いつも愛する人を
持っている事。
それは、
両親でも兄弟姉妹でも異性でも、
なんでもいいから 愛 を持つ事。
以上、
第一から第四まで書いたけれど、
第二の
「自分の心に壁や垣根を作らない事」
が重要だと思う。
以上
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