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『 1年2組 学級日誌 』   (新長編小説)
      ・・・半世紀前の女子高校の学級日誌・・・
        (昭和47〈1972〉年4月~48年3月まで)

  
  






【4月14日(金)晴 6番U・Y】

何を書けばいいのかなあ。

まず、M先生のことを書きます。

先生が担任であるということが、

とても嬉しいです(本当です)。

理解があって、面白くて、

顔もいろんな表情を出されて、

表現が豊かだと思います。

声もよく通るし、

高校生活が

いっそう楽しくなるという感じがします。

それから、

前の人達の日誌の返答も、

今日じっくり読まして頂ましたが、

大変気に入りました。

let‘s begin―――

私もこの言葉が好きです。

やる限りは、ベストをつくそう。

わたしもこのような主義です。

それから、音楽の時間に、

M先生の作詞で、

音楽の古林先生作曲の

『白樺(しらかば)の詩(うた)』

を聴きました。

明るい感じでとてもいい曲です。

私も作曲しますが、

少しくらい感じの曲が多いです。


さて、話しは変わって、

中学校の時、

3年間珍しく同じ男の先生

(年齢は忘れたが、

赤ちゃんが一人。

結婚歴3年。)だった。

2年の時、

同じクラスの男女3人ずつで

グループをつくった。

日直も掃除も班行動でし、

『 班日誌 』

も付けました。

先生からの返事は

赤ペンで最後に

書いてくださるようになっていました。

男の子の考え方、

そして女の子の考え方も

その日誌を通じて分かってきた

ように思えました。

私は今また、

このように日誌を書けるということを

嬉しく思っています。

是非一年間続けて、

このクラスの考え方や性格などを

読み取りたいと思います。


そう、中学の国語の先生と

英語の先生が「ひいき」をしていたんです。

その時間は、いつも特定の人を、

必ず2回ほど指名して当てはるのです。

でもこれは、

私達のゆがんだ考え方かもしれません。

M先生が日誌の返事で

「先生方の仕事は、

それぞれの教科を

生徒に教えるだけでなく、

それぞれの生徒の

いい部分をより伸ばしてやり、

より人間を高めてやることだと思う。

どの先生も、

生徒の中の誰かだけをひいきなど、

絶対にしていない。」

と書いていたのを読んで、

ちょっと安心しました。


 ところで、

昨日近くの本屋さんで、

夏目漱石

『 三四郎 』と

『 門 』を買い、

今『三四郎』を読んでいます。

又、感想などをこの日誌に

書きたいと思っています。

『 それから 』は、

あいにく売り切れでしたが、

まずこの1冊から読もうと、

少しでも暇があれば

本にかじりついている私です。

ぜひ、この「 三部作 」は

読んでおきたいと思っています。

若い間にたくさん読んで

登場人物と同じ気持ちになって読み、

その人達の生き方・考え方について

私なりの意見があれば、

ノートに綴っていこうと思います。


 自己紹介 を簡単にします。

 性格・・・ 

ゲラだが、涙もろい

(卒業式の時は、4回泣いた)。

明るく面白い。

弟思い。

 ニックネーム・・・

ハマサン

(テレビ「 時間ですよ 」の

はまさんの真似が

よく似ているらしい)。

 趣味・A 

洋画鑑賞。

①ウエストサイド物語

(トゥナイトの歌も好き)

  ②ロミオとジュリエット

(春休みに見に行き

涙を流してしまった)

  ③フレンズ

(アルルの大自然をバックにした

二人の美しい愛に感動)

  ④屋根の上のバイオリン弾き

(途中に休憩が入る長い映画。

最後には娘が

みんな親元を離れていく

という複雑な心境が

私に深い感銘を与えた。)

⑤ローマの休日

(テレビで初めて父と見ました。

初めは笑わしてくれましたが、

最後の記者会見が終わって

アン王女と別れなければならない。

そして、終わりの

あの 足音の響き が、

今でも 私の耳の奥 に

残っているような気がします。)

 趣味・B

 野球大好き。

阪神「田淵」のファン。

 趣味・C 

好きな男性。

森田健作・

野村真樹・

森田淳悟(バレーボール)


 趣味はこれ位にして、

中三の三学期、

講堂で

「 男女交際 」についての

討論会の代表として、

舞台の上で

1年~3年までに

話したことがあります。

男女4人です。

正面を見ると担任の先生が、

いるではありませんか。

私は、びっくりしました。

台の上から見下ろすと

好きな子もいたので、

それに、ハンドマイクを手にしたのは

初めてだったもので……

(どうしよう、胸がドキドキ、

今になって引き下がることもできないし……)

などという気持ちがでてきたのです。

 でも、いざ自分の意見

(レポート用紙2枚分)を

マイクを通じて言ってみると、

全然あがらなかったのです。

私は台の上に上がった以上、

全力投球で

自分の意見を聞いて貰おうと必死でした。

そして、終わった後、

すがすがしい気持ちになり、

友達からも

「頑張ったね。良かったよ。」と

言ってもらいました。

 私は、その日の体験を

これからもいかして

積極的 になりたいと思っています。

また、卒業前に

こんな良い体験ができたということを、

誇りに思っています。


 まあまあ書いているうちに

 5ページ になりました。

この間皆さんに

自己紹介して貰いましたが、

お名前と顔があまりはっきりせず、

覚えていません。

私は窓側の前から2番目に

座っています。

気軽に話しかけてください。

私も頑張って話しかけていきます。

先生そして皆さん、

これからもよろしくお願いします。

 お腹が空いたので

夕食を食べます。

所要時間

(6時から8時10分)

2時間10分でした。

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 君の日誌を読み始めた時、

ぼくは、恥ずかしいやら、

照れくさいやら、

困ってしまった。

ぼくは恐い。

何が恐いかと言えば、

あまりにもぼくを買い被(かぶ)って、

良いように見過ぎていると思う。

まだ入学して1週間しかならない。

ぼくという人間を、

その短い時間で

理解出来たかどうか、疑問です。

 例えば、

「象」がいて、真っ暗な中で、

その耳を触ったら、

「象は、団扇(うちわ)みたいだ。」

と言うかもしれない。

でも実際は、全然違う。

全体を見ないで

結論を出すのは、

大変 危険 がある。

このことは、

君たちがこれから生きていくうえで

一番重要な事だと思う。

 「一部分だけで、

ものを判断してはいけない。

全体を見るように努力しよう。」

 だから、これからも

ぼくをじっくり見てほしい。

無論、ぼくは、

君たちの期待を

裏切らないように努力します。


  夏目漱石の三部作で

一番感動的なのは、

『 それから 』です。

ぜひ買って、

『 三四郎 』の次に読んでください。

  それから、

『 白樺の詩 』を褒(ほ)めて頂いて

ありがとうございます。

               以上

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