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『　1年2組　学級日誌　』　 (連載小説)　
　　　　　　・・・半世紀前の女子高校の学級日誌・・・
　　　　　　　　（昭和47〈1972〉年４月～４８年３月まで）

　　

　　



【5月23日（火）晴　３５番Ｎ・Ａ】

　まず、家族紹介。

父・・・すごく恐い。

でも、親戚のチビ達が来ると

歳を忘れたように、

面白可笑しく相手になります。

父の頭の中は、

電子計算機　のように働いています。

というのも、

金融機関　に働いているからです。

だから、

私がどれだけ「　そろばん　」が出来ても、

父の腕には叶いません。

趣味はチョとした　コイン　を集め、

娯楽として「　麻雀　」をします。

また　野球　は、私と同じ、

関西では　肩身が狭い　ですが、

「　巨人　」ファーンです。

日曜日が来るたびに、

庭を意地っています。


母・・・42才で

60ｋｇ台という大きな体を持っています。

とても優しいです。

そして、私・・・趣味は「　切手　」集め。

巨人　の大ファーンです。

阪神ファーンの人ゴメンナサイ。


３人家族で寂しいので、

犬を1匹飼っています。

キツネのような顔をしています。

でも、

近所の人がうらやましがる程

「　親戚　」が多いので、

楽しいです。


　「　公立・私立　」について書きます。

「“　私立　”はダメ！不良になる。」

なんて言ってる人がいるけど、

だったら、公立に行ってる人は、

真面目ばっかりかと言えば、

とんでもないことだ。

それは、本人次第である。

「　私立は不良　」なんていう　原始的　

な考え方は、

捨ててほしい。

もちろん、

「ＪＫ」には、わずかの、

ほんの一部ですが、

「　先輩　」を見て、驚きました。

先生方も1年生の私達をきつく注意して、

肝心の先輩たちがあんなんでは

「　私学　」がよくなるはずはありません。

頑張って「ＪＫ」の良さを見せようでは

ありませんか。

（偉そうな事を言ってスイマセン）


　４月８日（土）午後１時より

「　入学式　」があって、

はや、1ヶ月半、

学校で、元気溌剌（はつらつ）と

いうような人と

友達になれて嬉しかった。


　Ｍ先生について書きます。

腕時計ではなくて、

懐中時計ですね。

銀の鎖をベルトに付けて、

時折ポケットから取り出していらっしゃる。

友達に話をしたら、

「シャーロックホームズ」みたいね。

と言っていました。

私はちょっぴりＭ先生の

オッチョコチョイには、感心しました。

また、皆のしている「　イタズラ　」に

引っ掛かっても、

あまり叱らず、

にこにこして居られ、

親しみを持ちました。

　もう遅いので寝ます。

この頃よく寝るんだわ。

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「　公立・私立　」については、

5月14日に書きましたので、読んで下さい。

「　私立はダメ、不良になる　」という

一部の社会の眼があるならば、

僕達でその意識を変えさせねばなりません。


話しは変わりますが、

「　懐中時計　」について書きます。

この時計は、

もう5年ぼくのポケットで動いている。

大正時代の後半に、

日本に輸入された時計ですが、

今もかなり正確に時を刻んでいる。

ぼくは、この時計を気に入っています。

ぼくの　祖父　の形見だからです。

父　がまだ幼い頃に　病気　

で亡くなったそうです。

大事にしていた　祖父の写真も手紙　も、

戦争で　全部焼けた　そうですが、

この時計だけが、父のポケットに

あったそうです。

だから、この時計は、我が家の

「　家宝　」になります。

僕が２０歳の時、父がプレゼントして

くれました。

この時計を持っていると、不思議に、

心が落ち着きます。

さわっていると、心が安らぎます。


ただ、辛いのは、「　分解掃除　」を

してもらうと、　

高いのには、びっくりしました。

普通の時計が買える値段でした。

だから、大事にしています。　


　「　コンタクトレンズ　」は、

カニの殻から作るそうだけど、　

その内にもっと便利なもの、

毎日取りはずすのでなく、

例えば１か月も二か月も付けて

おくものになると思う。　

なってほしい。

その時には、コンタクトにしてみようよ、ね、

楽だろうから……。　

　　　　　　　　　　以上

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