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『 1年2組 学級日誌 』 (連載小説)
・・・半世紀前の女子高校の学級日誌・・・
(昭和47〈1972〉年4月~48年3月まで)
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【5月6日(土)雨 21番T・E】
今日は、3時間目位から
少しずつ雨が降り出した。
雨降りって大嫌い!
特にじめじめ降る雨は。
でも、夏の雷と伴って降る夕立は
反対に大好き!
夕立が止んでその後の清々しさ。
雷を嫌う人がいるけど、
私は雷が好き。
雷が鳴りだすと
なんとなく胸がわくわくしてくる。
別に落ちるのを期待している
わけじゃないけど……。
話しは変わって、
まずこの学級に入った時の第一印象は、
男子がいないこと。
これは、まあ当たり前だけど、
担任まで女の人だったら……。
私は別に男好きじゃないョ。
はっきり言って、
男嫌い(???)。
それはともかく、
中3の時も担任が男だった。
今その先生は、
肝臓を悪くして3学期の終わり位から
今も入院していて、
卒業式の時だけ来てくれた。
近じかお見舞いに行こうと
友人と話している。
私の好きなテレビ番組は、
「 巨人の星 」
(もう終わったけど……。)
野球は阪神ファン。
(今、ラジオで阪神・巨人を聞いているが、
また、阪神が負けたのだ。)
とにかく野球が大好き。
次に好きなスポーツは、
軟式テニス。
中学3年間、
真面目にやり通したスポーツ。
高校に入ってもやるつもり、
(まだ入部してないが)
やっぱりやった方がいいですね。
私の「この世で一番大切なことは……」
と言ったらオーバーだけど、
「信じる」ということが大切だと思う。
誤解が誤解を生んで、
ある人を攻撃し、
傷付けたことがある。
あの時、何故信じなかったのか、
後ですごく後悔した。
その人とは、
それっきりそのまま別れてしまった。
今度会った時には、
それが笑い話のように話し合える
ようになりたい。
あしたも今日みたいな雨かな?
雨が降っても爽やかに過ごしたい、
休みの日は。
……関係ないけど参考までに、
私の好きな作家は 芥川龍之介 。
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昨日(5日子供の日)、
映画『 戦争と平和 』
を見に行ってきた。
ソ連映画で、4時間もあるが、
実に素晴らしいものです。
学生500円
(学校の映画研究部で買うと
350円です。
ぼくも大学院に籍を置いているので、
学生証を持っている。)
で見られるなんて信じられない。
5,000円出しても良い位だ。
トルストイ という作家は、
人道主義・理想主義である。
これは、大正時代、
『白樺派(しらかばは)』の作家達、
武者小路実篤(むしゃのこうじさねあつ)や
志賀直哉(しがなおや)に
影響を与えました。
これは、実は、
わたしの今のものの考えの基(もと)
になります。
この小説は、
「人間はいかに生きるべきか?」
が主題です。
その問いに対して作者は、
『 誠実 』というものを答えました。
4月25日の15番K・Sさんの日誌に
「私は『誠実』という言葉が大好きです」
と書いてあったけれど、
その『誠実』です。
“嘘(うそ)や偽(いつわ)りや
見せかけなどのない、
真面目な人間。”
“誠(まこと)、あるいは、
真心(まごころ)を持った人間”
“掛け替えのない人間、
一人一人の生命を大切にする人間”
トルストイ は、それを
この長い長い小説の中で、
述べたかったのです。
君は「信じる」ということが、
この世ので一番大切な言葉、
と書いています。
「信じることのできない人が
いないわけではない。」
「努力しているけど、
なかなか実行できない」と書き、
「誤解が誤解を生んだ」
「その人を傷つけてしまった」
「あとですごく後悔した」
と書いています。
人から信じられない状態の人は、
不幸ですが、
人を信じられなくなった人も、不幸です。
トルストイは、この小説の最後の方で、
『 許す 』ことの重要性を説いています。
『 誠実 』そして『 許す 』が、
人間の生きる人生のキーワードに
なると思います。
話しは変わるけど、
野球の事だけど、
ぼくはどこのチームの応援とかはなく、
各チームに好きな選手がいる。
例えば「阪神」は、
ピッチャーの「村山」
(村山さんは、関大の先輩になる)さん、
「巨人」は、
「長島」さん。
テレビを見ながら、この対戦の時は、
悲劇になる。
どっちを応援すべきか、
ハムレットの心境になる。
「南海」は、
キャッチャーの野村さん……。
難波の南海球場には、
ちょくちょく応援に行きます。
すりばち状の観客席から応援です。
以上
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