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『 1年2組 学級日誌 』 (新長編小説)
・・・半世紀前の女子高校の学級日誌・・・
(昭和47〈1972〉年4月~48年3月まで)
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11月29日(水)晴れ 13番 K・T】
今日は
「報恩講(ほおんこう)」という
親鸞聖人(しんらんしょうにん)の
命日にあたる日で、
「JK」の大切な行事だったので、
他の大学の先生の「
ありがたいお話」だけで、
家に早く帰って、
ほっとしていたら、
母から「 洗濯 」を頼まれた。
冬の洗濯はイヤだ。
我が家のは
全自動ではないので、
すすぎをしなければならない。
水では冷たすぎるし、
湯沸かしから
洗濯機の場所までは遠すぎる。
「困ったものじゃ」と思ったが、
大学の先生が
この世に生きている事で「 感謝 」です。
「 不平不満 」は
絶対にいけません、
今日は 感謝 を持って
家事手伝いをしてください、
とおっしゃっていたのを思い出した。
分かりました。
今日は
報恩講の日なので、
頑張って洗濯をやり遂げ、
部屋でごろんとしていたら、
母が、
「ご苦労様。おやつにケーキが有るから、
二つお食べなさい」
と言ってくれた。
「万歳」だ。
良かったよかった、
「 親鸞 」様々だ。
幸せだ。
M先生、
聞きたいことがあるんです。
「アルバイト」
のことなんだけど、
「JK」では、一方的に
アルバイトを 禁止 しているんですが、
理由がなくて
自分のお小遣いのための
バイトはいけないんですか?
親の許しがあれば
何処でもバイトにいけるんですか?
その他色々教えて下さい。
M先生、友達関係って
難しいですね。
この間の 校外学習 の時以来、
つくづく思うんだ。
校外学習の時、
私すごく悔しくて
自分が嫌になって泣いちゃたよ。
今はあまり気にしてなてけどね。
彼女があれほど
自分勝手だとは思わなかったし
自分の言いたいことばっかり
言ってるんだもん。
内容書けばいいんだけど、
内容書けば又もめちゃいそうだし、
弁解にも聞こえるかも知れないもんね。
つくづく
「友達とは何だ」って考えたよ。
だから 校外学習 もあまり
楽しくなかったしね。
ただ、私が帰りの駅で
泣いちゃったから、
みんなだってイヤな思いをしたと思うんだ。
みんな、ゴメンネ。
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アルバイト
についてだけど、
『生徒手帳』P23を見て下さい。
「アルバイトは 原則 として
許可しない、
保護者 より 申し出、
やむを得ぬと認められた場合は
許可されることがある。
許可されたときは
所定の手続きを経て、
アルバイト許可証の交付を受け、
常に 携帯 する事。」
「JK」では、
バイトはいけない事になっています。
家庭での経済的
あるいは家事都合による場合は、
親から申し出る事になります。
もし申し出ないで
バイトをしている事が分かったなら、
処分の対象 となります。
処分 とは、
例えば、
喫茶店で無許可の
バイトをしていて、
停学三日 及び 始末書提出 です。
友達とのいざこざですが、
心の底で 話し合う ことです。
この日誌に書いた時の気持ちで
もう一度話し合って下さい。
必ず理解し合えると思います。
K・Tさん、必ず声を掛けて
話し合う事ですよ。
M先生と約束ですよ。
このまま君達の二人の友情が
壊れるのは見ていられません。
絶対に約束です。
以上