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『 1年2組 学級日誌 』  (新長編小説) 
      ・・・半世紀前の女子高校の学級日誌・・・
        (昭和47〈1972〉年4月~48年3月)

  



【6月12日(月)雨 46番 M・K】

 私の相談に乗って下さいませ。

私の 胸 の中にあるこの苦しみを

取り除いて下さいませ。

はっきり言って、

ここに書いていいのかな?

と一瞬ためらったけれど、

やっぱり書くことにしました。


 事件・・・

友達と思っていた異性(X君)が、

私を Love と言い、

その上、Xの友達に、

まるで 相思相愛 のように

言っていたのです。

 問題・・・

私は、とっても傷つきました。

中一の時仲良くなり、

中三でも喧嘩をしてても、

私の元気のない時は

励ましてくれたX君なのです。

こんな時、

「そのX君のことが好きと気付く」

ということがあるかもしれません。

でも、

私は本当に「 友達 」と

思っていたんです。

高校に入っても、

私がクラブの事で

悩んでいると知ると

「相談にのってあげよう」

と言ってくれた人が、

そんなにひどい 仕打ち をするなんて、

私には許せません。


 そりゃ、X君が

私の事を好きだ と

言うのはかまいません。

でも、

私は一言も X君 を

「 好き 」と言ってないのです。

今までの私は、

男の人との 友情 を信じていました。

けれど 今の私には

信じることはできません。

今日この事を聞いて

目の前が 真っ暗 になりました。

私の 胸 の中に悲しみの輪が、

何重にも取り巻くのです。

そして、

もう一つの 不安 が

生まれたのです。


 それは、

はっきり言って、

私には 好きな人 がいます。

そうです。

Boyfriendです。

私とそのBoyfriendの中は、

いやらしくも 何もないのです。

手紙を貰っても

誰に見せても恥ずかしくないもの なのです。

私が 公立入試に 失敗 した時も

「人生の三分の一も過ぎていないのに、

ここで負けては駄目だ。」

と励ましてくれました。

そして、

いつまでも 友達 でいようと言うのです。

私とその人とは、

普通の友達より(X君より)は、

親近感 があると思うのです。

でも、結局は、友情によって、

二人の仲 は成り立っているのです。

もし、X君と同じようになったら、

また、私がそうなったら、また、

彼に girlfriend が出来、

私にひどい仕打ちをしたら……。

こんな事を考えると何だか

「 異性間の友情 」が

信じられなくなったのです。

今の私は

異性の事を書きすぎた 

のかも知れませんが、

私の心の中のこの出来事は、

このままにしておくと

嫌な思い出になるのでは?

と思ったので

思い切って書きました。

はっきり言って今の私は、

誰かから 答え を聞きたいのです。

本当は、もっと 他のこと を

書くつもりだったのに、

でも

今の私の気持ちを

素直に書いてみたのです。


 では、私の 家族 の話をします。

Father・・・

尊敬しています。

若い人の気持ちを本当に理解し、

その上 指導性 のある

素晴らしい父です。

 Mather・・・

尊敬 している所と

軽蔑 している所がある。

四十一歳になっても

スカートをパンツの所に挟んで

倒立する。

Brother・・・

曲がった事が嫌いで

ゴマすりが一番嫌い。


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 君の相談事ですが、

さっき(昼休み)君に話したから、

ここでは、簡単に書きます。

 まず、君は

X君を信用すべきでしょう。

X君以外の人からその事を聞いた、

すなわち、

本人から聞いていないのですから、

X君を信用しておくべきです。

何故なら、

君は「 X君と友達だ 」と

書いててるからです。

友達なら 信用 すべきです。

それは、もう一人のboy frindについても

言えることだと思います。

 ちょっと時間をおいて、

様子をみることです。

 それから、

男と女の 友情 ですが、

人によっては、まったく違ってきます。

それぞれの男女が、

どう考えるかです。

友情 が ある と思えばあるし、

ない と思えばなくなります。

君は、どっちをとりますか?

 ぼくは、男女の「 友情 」

とまではいかなくとも、

「 友達 」はあると思う。

例えば、

大学時代からのグループ

(13名)がそうです。

男が7名女が6名の内、

4名が結婚しており、

1名は婚約中。

もう一人は独身主義

(ただし恋人はいるそうだ。)

男の7名中、5名が結婚し、

1名は恋人がいて、

そのうちに婚約するらしい。

さて、男7名の内、

最後に残った1名が、ぼくだ。

カッコイイと言うべきか、

ワルイと言うべきか……。 

さて、このグループ、で、

同じグループ同士で結婚したのは、

一組もいない。

皆よそから探してきた。

だけど、みんな和気あいあいとして、

友達同士だ。


 さっきの話し に戻りますが、

「時間をおいてみて」

もし、X君の事を聞かせた

友達の言う事が本当ならば、

君が直接 X君と話してみる 事です。

もし、本当だとしても、

X君が 悪気 があって言った、

とは、ぼくには思えません。


 今、この日誌を

夜(8時)の学校の職員室で、

書いています。

もう誰もいません。静かです。

守衛のおじさんが

巡回でこられました。

ぼくの上の電灯だけがついていて

後は、真っ暗。

7時30分まで 演劇部 が

練習していて、

顧問の先生が 

欠席 されていましたので、

残っています。

顧問じゃないけど、

生徒が一生懸命やっているので、

手伝いたくなりました。

 だけど、静かです。

ちょっと気味が悪いくらいです。

誰もいない学校って

本当に 孤独 を感じさせます。

昼はあれほど多くの人間がいたのに、

今は、巨大な建物の中に

自分一人になってしまっている。

そして、そこにとけ込んでいる。

孤独です。

人間はもともと 孤独 なのかもしれません。

しかし、その孤独に耐えられるのは、

必ず、どこかに

家族や

兄弟姉妹や

友がいるからです。

だから人間は孤独に耐えられる。

その友を

大事にしなければなりません。

ある 懐疑派(かいぎは・疑いを持つ人)が、

こう言いました。

・・・この世の中で信じることの出来る、

数少ないものの一つが “ 友情 ” だ。・・・

ぼくは懐疑派ではないので、

こう言います。

・・・この世の中で信じる事の出来るものは

多くあるけれど、

その中で特に重要なのが “ 友情 ” だ。・・・                以上

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