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『 1年2組 学級日誌 』 (新長編小説)
・・・半世紀前の女子高校の学級日誌・・・
(昭和47〈1972〉年4月~48年3月まで)
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【11月8日(水)晴 54番 Y・K】
毎日ボンヤリ過ごしています。
窓の外は、真っ暗です。
大阪の空は、
毎日スモッグでいっぱいです。
スモッグ注意報が
ひっきりなしに出てます。
公害が人を汚染します。
私の気持ちもボンヤリさせます。
あたしの状差しの中に
中学時代の友達の
暑中お見舞いが見えてます。
「いつまでも貴女らしい貴女でいて下さい……」
キザーッだけど、
貴女らしいあたしってナンダーッ。
分かりませんね、困りました。
あたしは刻一刻変化しているのに。
暑中見舞いの君に会いたい。
彼女は公立です。
彼女も刻一刻変化しているのです。
恐いから会えません。
三無主義 になりそうです。
イヤ、四無主義 かなぁ?
いやだけど、困りましたね。
退屈なんです、毎日が。
なんかいいことないかな?!
わたしの理解者求めます。
あたし見たいのを
“ ひよりみ主義 ”って言うのかな?
こんなの一番いけないのです。
なんとなーく生きている。
なんとなーく時間に押し流されていく。
とても、とても、怖いです。
北極の北風を取ってきて
ガラスの瓶に詰めました
あたしの心も一緒に
レッテルを張りました
茶けた大きなレッテルに
震える涙で書きました
“思い出の瓶詰めです。
まだ青い心の北風漬け”
ギャーッ、なんだコレ!
ギザー変なの書いちゃった。
なんか頭の中が 支離滅裂 です。
それに、熱っぽいです。
風邪薬を飲まなくっちゃ。
あったかな、風邪薬。
“くしゃみ3回ルル3錠”です。
では、さようなら。
本当に熱っぽいです……。
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風邪、 大丈夫ですか?
君が高熱で動けないから、
この日誌を
友達に頼んで、
学校に持ってきてくれたんだね。
ありがとうございます。
君は、クラブ(バドミントン)と
文化祭の準備で疲れていたんだね。
可愛そうに。
じっくり養生してください。
11日(土)・12日(日)の
文化祭無事終わり、
今日は代休の13日(月)です。
12日 日曜日の「文化祭」、
スゴイ人だったんだよ。
廊下はなんと、
日曜日の「心斎橋」みたいだった。
「フランクフルト」売れて売れて、
昼から追加注文で仕入れた。
それもすぐに売れた。
ぼくも今日は、
虚脱感 でグッタリです。
詩を書いて終わります。
大学時代の詩です。
ふと淋しさがこみ上げてくる
いいようのないきょき(むせび泣き)が
おとずれる
ほんの一瞬の透き間をぬって
心の片隅のひび割れから
忍び寄る
人生の孤独を
いったい誰が説明出来よう
寂然(せきぜん)と座した時
人は無になる
その無がすべての根元であったのか
なぜ 思いの果てに
人は心を寄せ
身をまかそうとするのか
身体をお大事にしてください。
以上