「マルタン丸山」のホーム・ページです。

トップページへ・・・
「小説」の見出しページへ
「jk1年2組学級日誌」の始めのページへ 戻る

『 1年2組 学級日誌 』  (新長編小説) 
      ・・・半世紀前の女子高校の学級日誌・・・
        (昭和47〈1972〉年4月~48年3月まで)

  

  



【4月24日(月)晴 14番 K・M 】

 え・・・・・・と、まずは、

幼い頃のことから

書いていきたいと思います。

 生まれた所は「東京」。

それも、ど真ん中の“新宿”です。

小学校の3年の時に大阪に来ました。

初めは大阪に行くのがとても

イヤだったんです。

なぜなら、新宿以外に移ったことないし、

友達もやっとつくれたし、

大阪なんて全然知らなかったからです。

 引っ越しをして次の日、

学校に行ったのですが、

言葉が分からなく、

私の言葉も通じなかった次第でした。

これがものすごく困ったことです。

私のいう事もきつく感じる、って言って、

なかなか友達が出来ませんでした。

関東弁は語尾に「サ」を付けますが、

この“サ”が、みんないやだったそうです。

それに、同じ“バカ”と言われるのなら、

“アホ”と言われた方がいい、

とも言われました。

 しかし、ア・・・・・・ア、

今は大阪弁まるだし。

でも、人と話しているとき、

「あなた、関東の人じゃない?」と、

よく言われます。


   中学3年の想い出。

3年生の担任は女の先生で

“お母さん”という感じでした。

一度この先生に習ってみたかったので、

とても嬉しかったです。

1学期の委員選出の時

“会長”になってしまいました。

私自身こんな大役は初めてだし、

人前で話したこともないし、

どうしようかばかり思っていました。

 次の日、

ホームルームの時間にみんなの

前に立ちました。

顔が赤くなって、

カッカしてとても嫌でした。

うまく話すことが出来ず、

いかに人前に立って話すことが

難しいか分かりました。

 しばらくして、私の所に、

何故か知らないけど、

悩みを打ち明ける人がいました。

その人とは、

一度も話したことがなくびっくりしました。

彼女の悩みは

「友達がほしい」ということでした。

M先生が以前に言っていた、

「友達というものは、

待っているのではなく、

自分から進んで飛び込んで行くものだ」

と言われたのには、同感です。

 とにかくいろいろ経験してきました。

中3は、良かったな……。

 では、また、もうあかん。

眠たい。おやすみ。

========/===/=========

昨日(月曜日)のHR(ホームルーム)

の各委員選挙で、

多くの人が立候補してくれて嬉しかった。

あんなに皆がクラスのためにしようと

している事が、

はっきり分かって心から嬉しかった。

人間って、どうしても利己(エゴ)的に

なりやすい。

いつも自分の事だけを考えがちである。

『現代国語』の教科書に、

串田孫一さんの

『考えること』に、

「自分中心になって、

良くない意味で 利己的 に

なる傾向が多い。」

と書かれてあったが、

人間がただ利己的に生きるなら、

それは、人間というよりも、

動物に近い人間でしかありません。

人間がより人間であるためには、

出来る限り 利己(エゴ) を克服する、

という事にかかってくると思います。

利己だけに生きるのではなく、

他人(他者)のことをも考えることが

出来る人間、

それが、「人間」だと思います。

今回、立候補してくれた人達に、

「ありがとう」を言います。

そして、立候補しなかった人達にも

「ありがとう」を言います。

何故なら、立候補しなかった人は、

自分の名前を出さなかったけれど、

立候補し当選した人達を、

助けようとしているからです。

「 縁(えん)の下の力持ち 」

という言葉がありますが、

それに当たると思います。

当選者を応援してあげて下さい。

 
校外学習の時、

拝観した寺で頂いた絵はがきの下に

「 ありがとう って、 いいことば ね」

と書かれてありましたが、

本当にいい言葉だと思います。

 「クラスの皆さん、

ありがとう、ございます。」  

       以上

=====/=========/=========

・・・「4月24日 15番」へ 進む・・・ 誠実・・・

・・・「4月22日 13番」へ 戻る・・・ 学生紛争・・・


・・・「4月21日 12番」へ 戻る・・・ 先生の自殺・・・

・・・「4月20日 11番」へ 戻る・・・ 悩みごと・・・