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『 1年2組 学級日誌 』 (新長編小説)
・・・半世紀前の女子高校の学級日誌・・・
(昭和47〈1972〉年4月~48年3月まで)
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【12月8日(金)晴れ 21番 T・E】
まず、一言
言わせてもらいます。
私は吉本興業の
「財津一郎」ではありません。
全然違います。
誰が言ったのか知らないけれど
(誰もがみんな知っている。でも、)
これだけは言っておきます。
私の周りには
「平(たいら)三平」や
「平和ラッパ」や
「アホの坂田」がいますが、
私のことは、せめて言うなら、
「オリビア・ハッセイ」か
「カトリーヌ・ドヌーブ」とか、
言って欲しかった。
それから、今日の感想。
自分では、今日一日、
いつもと比べて毎時間真面目に
先生方の話しを聞いていたつもりです。
いえ、聞いていました。
ところが、
6時間目の「英文法」の時間の時、
私の心臓は、突かれたような
引き裂かれたような感じになったのです。
私だけでは無く、
2組の全員が
そんな気持ちになったはずです。
というのは、
「英文法」の先生の
「あの言葉」
……思い出しても 「腹が立つ」、
とんでもない言葉を……。
なんと言ったと思います?
M先生がその場所にいたなら、
私達と同じに
「憤慨」したでしょう。
こう言ったのです。
「この文法、
20程覚えている人いますか?
……いてるはずないやろうね、
このクラスには……。
いてたら不思議やわ。
いつもの勉強見てたら、
何処のクラスが覚えてて、
どこのクラスが覚えてへんか、
私には、分かります!!!」
と言って
笑っているノダ!
そら、私らのクラスが、
テストの平均点で、
学年最下位だったかもしれまへん。
そやけど、あの時、
誰がペチャクチャ
喋っていたというんですか?
誰がグウグウ
寝てたというんですか?
いつもの勉強態度だって
良いとは言えないけれど、
「2組は悪い。
2組は、アホや」
というように
決めつけられているようで、
とても、イヤでした。
ちょっとの事でも、
私らの心は デリケート なのだ!!!
だけど、
つくづく思ったけど、
先生方から見て、
2組の姿というのは、
「特変(特別変てこな)学級」
のような視線で
私らを見ているんだなと。
とても残念です。
でも、私
「2組」の一員に入った事、
少しもイヤだなあなんて思いません。
かえって、他のクラスのように、
何も言わない 温和し 過ぎるような
クラスに比べて、
2組は、なんと、
素晴らしいんだろう、
と思います。
ようーし、2学期末考査、
絶対に頑張るのだ。
2組の諸君!!!
共に頑張って、
見返そうではないか……。
ねえ、M先生!!!
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2組のクラスの事。
僕は2組が気に入っている。
ただ、
木枯紋次郎
(こがらしもんじろう)的な人
「あっしには関係のないことで
ござんすという人達」
がいるのは残念だが、
どうせ、やるなら、
何でも一番というのが好きである。
そして、
「やるだけやったら
肩たたきあい、
オツカレサン!」
というやつである。
今の君達は、何をやっても、
すべてやれるんだ。
そして、
それは素晴らしい出来になる。
「三無主義
(無気力・
無関心・
無責任 )」
が今世間で 大流行 している
若者気質(かたぎ)が、あるが、
それどころか、
“無感動” を加えて
「四無主義」。
また、無規則・
無知・
無作法・
無関係・
無感覚・
無表情……
も加えれば
「 十無主義 」
とんでもない若者が
社会にはびこっている、
ことになる。
悲しいことだ。
話しは変わって、
いよいよ来週から
二学期の期末テストです。
ぜひ、頑張ってください。
今年の「学級日誌」は、
今日でお休みです。
新年の3学期から
再開します。
以上
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