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『 1年2組 学級日誌 』 (新長編小説)
・・・半世紀前の女子高校の学級日誌・・・
(昭和47〈1972〉年4月~48年3月まで)
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【9月16日(金)台風・暴風警報・休校・
17日朝だけ台風 20番S・T】
この2回目の日誌は、
長いようですぐ自分の番が来たなぁ
という感じです。
私が自分の「日記」を書く日は、
何かを思い詰め、
悲しい時に書きます。
だから私の日記は、
いやなことだらけで埋まってしまっています。
(日記を書くときは、
いつも涙を流しながら書きます。)
自分でも時々、
自分自身変わっているな
と思う時があるんです。
例を上げると、
私の足の下に
小さな虫がいるとすると、
すぐ足で踏みつけたり
いじめたりするんです。
(こんな事をする時は、
自分自身が寂しい時だと思います。)
その反面、
テレビや話しを聞いたり
雑誌・新聞など読んでると、
無性に悲しくなって
泣いてしまうんです。
また、他人の事でも自分の事のように
泣いてしまうんです。
私って異常なのかな?
でも、学校では、
友達と冗談言ったりふざけたり、
一面楽しくしています。
が一人になってみると、
孤独で寂しがりやなのです。
(こんな事を言っても
信じてもらえないかな?)
だから、たくさん友達がいても、
自分の悩みを
聞いて貰えるような人はいないのです。
それで、時々
自分の部屋で思い詰めたように、
ベットの上で
1時間ほど泣くんです。
こんな事を書く私って、
変な生徒だなと思うでしょう。
でも、私に一つだけ言える事は、
自分の悲しみを人には、
絶対と言っていいほど、
あたえません。
だから、学校では
「ピエロ」のように「陽気」で、
家ではすごく
「温和しい」のです。
この間、放課後、
7番のO・Yさんが
放課後に近くの市場で買ってきてくれた
「コロッケ」が大変美味しかった。
その時、誰かが
「M先生」のアゴが
コロッケに似ている、
と言い出した。
何となくそうかも知れないし、
そうでないかもしれない。
話しは変わって、
16日の台風は、
かなり凄かったですね。
夜6時半すぐから9時まで、
熊取町は停電で、
暗い中で 夕食 をすませたんです。
家自身は、私の身体と同様に、
頑丈に出来ていますので
心配はありませんでした。
が、家には 20匹の小鳥 を飼っている
鶏小屋があるのですが、
朝起きて見ると、
屋根のトタンが飛ばされて、
小鳥は一匹もいなくなって
飛ばされたのです。
泣きながら近所を探し回ったのですが、
1匹もいません。
私は どん底 に陥りました。
何故なら、小鳥は、
私がムシャクシャしている心を慰めてくれ、
冷静にしてくれていたのです。
私の悩みを聞いてくれる
唯一のペットなのです。
話し変わって、
私の「恐怖症」は、
「男性恐怖症」なのだ。
男の人を見ると鳥肌が立つほど、
男性という人間が 気持ち悪い のだ。
何故かと言えば、やはり 痴漢 に
襲われかけた経験 があるからなのかな。
でも同級生の人や先生なんかは、
見てるとこれまた男性とも思わない。
女友達と同じように話し出来るのだ。
私の目、これまた異常かな?
でも、ボーイフレンドほしいと思うことがある。
でも、私って、
現実の人に興味の趣味ももたない
(つまり自分の周りにいる人)
だから、いつまでたっても出来ないのだ。
時々こんな自分が可哀想になる。
私は自分が好意を持っている人からは、
反応はなしで、
自分の好きでないタイプの人から
よく好かれる。
よく電話がかかってくる。
だから、私は自分の手の届かないひとに
憧れるのだ。
では、おやすみなさい。
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16日の台風、
ぼくの部屋(2階)の壁が
どっさり落ちた。
もう少し振ると
中の壁までやられるとこだった。
コワバラ・コワバラ。
今度家を建てるなら
「ナショナル住宅」のような
家をたてようと思う。
次の文は、
ナショナル住宅のコマーシャルに会わせて
歌ってください。
♪♪家を造る~なら、
家を造る~なら、
壁の落ちない、
住宅にしようと
思うのであります。♪♪
「ピエロ」は、
いつも人を笑わせ
自分の笑い、
人生を笑いの連続でおくる。
世界で一番 陽気な人 はピエロ。
では、ピエロになるためには
どうすればよいか?
それは、孤独 を知る事。
孤独である事が
どんなに辛(つら)く
苦しく
淋しいものかを知った時、
それらを忘れるために、
人は自分を「ピエロ」にし、
陽気にする。
しかし、その反動で、
一人でいる時の孤独を
よりかみしめる。
ぼくは「ピエロ」だと思うけど、
君も「ピエロ」かも知れないね。
ぼくの好きな言葉を
君に贈ります。
武者小路実篤(むしゃのこうじさねあつ)の
『愛と死』より
「人は笑われるために
生まれてきたのでもないが、
笑われないために
生まれてきたのでもない。」
話し変わって、
〔男性恐怖症をなくす方法〕・・・
若い女の子の場合の章・・・
1、男を男と思うな。
(君が書いているように、
女の子と思う事)
2、女の人の小説を読め。
(女性作家は、実に男性を
理想化して描く)
3、トルストイの作品を読め。
(これも男性を上手く書いている)
4、君のお父さんのように、
男の人は「頼れる」ことを知れ。
5、ボディービルを
やっている人を見つけよ。
(素晴らしい身体)
6、男は実に
「おろかな動物」と思え。(2の逆)
7、悪い男ばかりではないことを知れ。
8、男を愛するように心がけよ。
顎(あご)が「コロッケ」に
似ているという話しだけど、
ぼくは、カーク・ダグラスの
「顎」に憧れている。
あんな顎になりたい。
以上