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『 1年2組 学級日誌 』  (新長編小説) 
      ・・・半世紀前の女子高校の学級日誌・・・
        (昭和47〈1972〉年4月~48年3月まで)

  







【10月25日(水)晴 43番 FH】

 今私は、クラブ(テニス部)を

「 退部 」して、

毎日 気楽 に過ごしています。

私にとって、こんな毎日で

良いのか悪いのか分かりません。

時がたって

後悔することになるかも知れません。

でも、今の生活に

「自由」が有る事だけは言えます。

自分のしたい事も今は出来る。

今の生活に

満足しているかも知れません。

だから、クラブを退部して

もう何日も経っているけど、

後悔していない のかも知れない。

「クラス」について書きます。

学級を良くするために、

誰もがこの学級で学んで

良かったという安らぎと

幸福感に満ち足りることが

出来るような学級を作りたい。

学級内で人間的なつながり、

互いに助け合えるような学級。

全ての者が協力しようという学級。

どんな些細(ささい)な意見でも

大事にされる学級。

他人の苦しみを自分の苦しみとして

受け止める事の出来る学級。

一定の目的に向かって

集団的に取り組む事の出来る学級。

 辛いこと、苦しいこと、誰にも有る。

でもそれは言いたくないことです。

誰にも言いたくない事だって有る。

だからじっと心の中に

閉まっておくのです。

そしてみんながバラバラになって

格好だけの仲間になってしまうのです。

他人の苦しみを受け止める、

そこから本当の仲間が

出来るのではないでしょうか。

今度、班を作ることになりました。

これは、学級を良くする

一つの方法だと思います。

一つの問題を班でまず考え話し合い、

そして次は学級で話し合う、

そこに意見の衝突、

そして皆が集団的に取り組む

ことが出来ると思うのです。

こう、うまく行くとは限りません。

初めは躓(つまず)いても

必ずうまく行くと思います。

今度の 文化祭 は絶好のチャンス。

この文化祭を成功させて

盛り上がらそう!!


 「同和問題」

について書きます。

(私の考えが未熟だから、

その点はお許し下さい。)

“故郷を隠す”事を父は、

獣のような鋭さで覚えた。

故郷をあばかれ、

再び帰らぬ友がいた。

故郷を告白し、

許婚者に去られた友がいた。

我が子よ、お前には胸を張って

故郷を名乗らせたい。

瞳をあげ、何のためらいもなく、

“これが私の故郷です”

と名乗らせたい。

自分の故郷を云ったら、

みんなから人間扱いされないから

かもしれません。

こんなためらいがあるのです。

現存でもこんなことが有るなんて、

私は中学生になるまで知りませんでした。

でも知って良かったと思います。

やっぱり私の家族も

差別していると思います。

それははっきり言葉では

言い表していませんが、分かります。

このように私の家族のような人は

数多くいると思いマス。

私は絶対差別しない

と思っています。

しかし、私の言葉の中に

“差別”という言葉を使っています。

これだけでも、

私はやっぱり……。


 中学時代、この事については

よく話し合いました。

でも、結論は

はっきりしていません。

でも私達の親がダメでも私達の時代、

そして私達子供には

ちゃんとした教育をしたい、

こんな事を言っても、

今でも私は差別している

のかもしれません。

それは、

“差別をなくそう”と云っていることが

差別していることだと、

中学校の先生に言われました。

私は何と云って良いか分かりません。

私が発表したり意見を云っても

担任の先生から

“お前の云っていることは

差別している”

と云われたら

泣きたい気持ちでした。

私だけでなく

クラス全員が云われました。

今私が高校生になって、

どれだけ考え方が

変わって来たのか分からない。

とにかく、私の考え方では、

問題は解決する事がまったくない。

M先生の考え方を教えて下さい。

お願いします。



===============/========/======

 人が人を差別するなんて、

この世のあってはなりません。

今日、この社会で、

「封建社会」での形態をまた゛

持ち続けている世代に、

僕達は挑戦しなければなりません。

歴史的に見て、

「封建社会」において

時の権力者が

「 士農工商えたひにん 」

という 身分差別制度 を作り、

自分の周りの

上下関係で争いを作り、

決して時の権力者に

矛先を向かわせないやり方が、

この差別です。

それが 数百年続き、

明治時代に

「 士農工商 」差別

を撤廃しましたが、

第二次世界大戦での

日本の敗戦によって、

「 民主主義社会 」が導入されました。

民主主義社会では、

「差別のない社会」、

「差別をなくす社会」

で進んで行きます。

人間は みな平等 であることが、

この 民主主義社会の成り立ち 

の根底にあります。

ちょっと難しい話しになりました。

今度「HR(ホームルーム)」で

勉強していくと思います。

ところで、君が中学校の先生に

「差別をなくそう」と云った時、

「差別」している

と言われたのですが、

「民主主義社会」では、

皆平等で差別はないはずなのに、

「何故差別をなくそう」

は可笑しい、

矛盾(むじゅん)している

という事を

言われたのだと思います。

 「クラス」について、

君の言葉は大事なことです。

1、人間的なつながりのある学級

2、助け合える学級

3、協力する学級

4、他人の苦しみを自分の苦しみとして

受け止める学級

5、一定の目的に向かって

集団的に取り組む学級


 今、1年2組は、

この1~5の方向に

進んでいるように思います。

体育祭の時、

「学級対抗リレー」や

「パン食い競争」や

「騎馬戦」が

全て優勝で、

終礼の時に 

缶ジュースで乾杯 した時から、

約3週間で 理想の学級に

進んでいるようです。

なんと素晴らしい事だろう。

これはやっぱり

55名+1名全員の

「こころ」と「力」だろうと思う。

君達とぼくの青春のために

、君達の高校生活のために、

みんなで前進しょう。


 「クラブの退部」だけど、

残念です。

しかし、人は人の

岐路(きろ・分かれ道)があり、

どちらの道を選ぶかは、

最終的にその人です。

ただし、どちらの道を選ぶにしても

その選んだ道が、

その人の人生に

最上のものであるためには、

選んだ道で

「より生きる」事だと思います。

「思い切りやる」ことが重要です。

安易(あんい)な生き方は

いけないと思います。

前進して下さい。

高校を卒業する時に

「自分はXXをやった」と

言えるように頑張ってください。

君の文章の中に

「自由がある。満足している」とあります。

「 自由 」は素晴らしいものです。

しかし、

「自由には、落とし穴がある」ことを、

心に留めていて下さい。

自分を「自由」に 甘やかし てはいけません。

いつも 厳しい「自由」であって下さい。

君の情熱があればなしえます。

「成功を祈ります、

君の新しい道に!」 

  以上

============/======/=======




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