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『 1年2組 学級日誌 』 (新長編小説)
・・・半世紀前の女子高校の学級日誌・・・
(昭和47〈1972〉年4月~48年3月まで)
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【9月21日(木)晴 24番T・M】
人間なんて、
先の事なんか
全然分からないで、
生きているんですね。よく、
「大人になったら何になりたい?」
と小さい子供に聞きますが、
その聞かれる時が、
一番無邪気で
いいんじゃないかと思います。
だんだん年を取る
(年齢を重ねる)につけて、
素晴らしい事に出会う変わりに、
余計な物まで見えたり
聞いたりしてしまう。
でも、これは
逃れられないものなんですね。
誰だって、何故私だけがこんな苦しい目に
遭わなければいけないのだろう、
ということは、
1度は考えるでしょうね。
世の中、
そういう事ばかりではないと思うから、
でも、そう思っている時、どこかで、
同じ位の苦しみを持っている人が
いるんじゃないかなって、
私は思う時があります。
でも、私の苦しみなんて、
他の人に比べたら
千分の一にも満たないんです。
私には、
小学校三年生の妹がいるんですが、
妹を見ていると、
生きている価値というものが
感じられます。
母に似て世話好きで、
よくしゃべり、気さくで、
誰とでも仲良くなれる。
男の子のようにサッパリしているので、
人から好感を持たれます。
ピアノの先生は、
妹のレッスンの時間の後、
少し余分に伸ばしておいて、
妹と話しをする時間を
作っているそうです。
私は妹とは正反対なんです。
いつもうらやましいと思います。
私は生きていても
何の役にもたたない
人間なんだなって思います。
世の中にも私のようなのがいるのかな?
いたら不思議、
いなくて当たり前。
どうも妹の風邪がうつったようです。
短いですが、
これで終わります。
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この世に生まれて来た人は、
全く新しい人
これまでには何処にもいなかった人、
これからも生まれて来ない。
それを知る事は、
君の義務だ。
この世に自分という人間は、
一人しかいないって事を、
知らなければいけない。
もし、他にもいたら、
生きてる価値は、なくなるだろう?
この世に自分という人間は、
役に立たない人間ではなく、
役に立たなければならない人間である事を、
知らなければいけない。
それを知る事は、
君が君である事になる。
この世に生まれて来た人は、
全く新しい人、
これまでには何処にもいなかった人。
これからも生まれて来ない。
それを知ることは、
君の義務だ。
ねえ、そう思わないかい?
自分は、何の役にも立たない
人間ではなくて、
役に立たなければならない
人間であるべき事を
知らなければならない事を。
君は前の5月10日の日誌に、
「小学校の先生」になるんだ
と書いていたと思うけど、
大学には
「幼児教育科」等があり、
教員免許が取れます。
応援します。
教室の「花」いつも、
ありがとうございます。
嬉しく思います。
庭に咲く花は、
季節が感じられて嬉しいです。
以上
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