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『 1年2組 学級日誌 』 (新長編小説)
・・・半世紀前の女子高校の学級日誌・・・
(昭和47〈1972〉年4月~48年3月まで)
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【2月21日(水) 晴 50番 M・K】
あと26日で
「終業式」ですね。
もうすぐ2年生になっちゃうのか。
いやだなぁ。
だって、この学級
とっても楽しかっただモン。
このメンバーで
2年生になれたらいいんだけどナーーー。
(もちろんM先生も)
だって友達と別々になったらイヤだもん。
それにこの
「学級日誌」だって、
これが最後かと思うと、
なんだかものすごく
悲しくなっちゃう。
この一年みんなで書いた
この日誌 分厚くなって、
鞄にズッシリとこたえちゃった。
この一年間
振り返って見て、
私あまり勉強をしなかったなぁ。
1年前の私は「JK」に合格するために
頑張ったんだが……。
クラブの先輩が言っていたな
「一年と二年はしっかり
遊ばなきゃそんよ。
3年になったら
一生懸命勉強しなくては
ならないようになるから」って。
私って、先輩の言うことを
よく守る良い子ちゃんなんだな。
(ハツハッハッッ……)
だから二年生も遊ばなければ
いけないのかな?
冗談はほどほどにして、
この間、
私と51番のM・Kさんとが
「パン係」だったんです。
そしたら、
パンと牛乳が1つずつ
足りなかったんです。
だから言いに行ったら、
食堂のオバサンが恐い顔して
「そんなんあんたらが配る前に、
しっかり数えておかなかったんが
悪いんやんか。
その時に言ってほしい。
おばちゃんら3回確認してるねんで。
責任ないから、
お金なんか返せませんよ。」
すごく叱られたんです。
だから結局
私達で責任を取りました。
40円ほどですけど、
腹が立ってムカムカしていたんです。
でも勉強しました
(生きていくうえでの人生の勉強)。
いろいろな係になった時には、
1に「確認」
(食堂からパン等を受け取った時には、
必ず数を確認する)。
2に「確認」
(教室の教卓の上に
置いておくのではなく、
一人ひとりに品物と数を
確認しながら渡していく)。
3,4なくて
5に「確認」
(係の者二人で
一緒に確認していく)。
この一年間で一番
「勉強しました。」
M先生!ほめてやって下さい。
「勉強しました。」
それでは、
さようなら
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明日(2月22日)のHRの時間、
2年生が3年生のために「予餞会(よせんかい)」を開きます。
「予餞会」とは、卒業の前に行う卒業生の送別会のことです。
今年のプログラムを見ると、
1歌唱・・・詩の朗読と歌
2爆笑寄席・・・ロンパールーム「ニコチャン・ギャロップ」
3歌・・・遠い世界に、太陽がくれた季節、青い山脈、高校三年生
4JK新喜劇・・・「大根売りの少女」
5少年少女合唱団・・・学生街の喫茶店、学生時代etc
6劇・・・「病む子の祭」
なかなか面白そうですね。楽しみです。
話しは変わって、
食堂のパンの事だけど、君も書いているけど、
「確認」が一番大事な事だと思います。
この「確認」は、将来生きて行く時には、絶対必要です。
40円で素晴らしい「勉強」が出来ましたね。
良かった、良かった。
その「40円」は、僕が出します。
だから食堂のオバサン方を怒らないで下さい。
1に確認、2に確認、3、4がなくて5に確認ですね。 以上