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『 1年2組 学級日誌 』 (新長編小説)
・・・半世紀前の女子高校の学級日誌・・・
(昭和47〈1972〉年4月~48年3月まで)
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【11月27日(月)晴れ 11番 K・Y】
今日もクラブ(コーラス部)を
サボってしまった。
文化祭 が終わってから、
何だか気が抜けてしまって
全然やる気がない。
今、クラブで
「カルメン」
「トスカ」
「アヴェマリア」をやっています。
今度一人ずつ歌うそうなんです。
イヤダー。
私達アルトは、
「カルメン」と「アヴェマリア」だそうです。
「トスカ」は高いので、
ソプラノの人。
「アヴェマリア」は、全パート。
私は「カルメン」大好きなの。
歌っていると
身体が自然に動いてくるんです。
「トスカ」もいい曲だなぁ。
もっと高い声が出たらいいのに……。
明日から真面目にクラブに行こう。
やっぱり歌う事が好きなんだ。
校外学習の日の朝、
地下鉄で「痴漢(チカン)」にやられました。
鞄が当たっているのかなぁ、
と思って下を見ました。
するとそれが鞄じゃなくって、
手だったんです。
私は急いでその手を
退けようとしましたが、
もう駅で、
ドアが開くところでした。
一瞬その痴漢の顔を見ました。
(横顔が先生に似ていた?
ウソーです!)
その痴漢は
平気な顔で降りて行きました。
あー、気持ち悪いーーー。
今度痴漢に会ったら、
大声で
「キャー、チカン!!!」と
叫ぶつもりです。
妹について書きます。
近頃、背が伸びてきたので、
私と同じ位になったんです。
すぐ私の横に来て、
「姉ちゃん同じ位になったな。
足なんか、私の方が長いわ」って
言うのですよ。
腹が立ちますよ、すごく。
妹の良いところは、
手先が器用な事。
手芸が大好きなんです。
先生に頼まれて、
学校の応接室のテーブルセンターも
作った位です。
私も時々学校の家庭かの宿題を
手伝って貰います。
「手芸の先生になりたい」と
言ってます。
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痴漢がぼくに似ていたとは、
実に驚いた。
そもそも、ぼくの顔は、
そんな事の出来ない顔である。
この顔をじっくり見てごらん。
何とまあ、ふくよかな
(面白い)顔であることよ。
ぼくほどのマジメ人間は、
どこを捜してもいないはずである
(自己宣伝)。
ぼくは
「痴漢をなくす会」の大阪支部を作ろうと
思っている位だから、
ご理解 願いたし。
11月4日のこの日誌にも書いたが、
「 痴漢撃退法 」を
真剣に考えて
日夜戦い続けているんだ。
正義の味方「M先生」を
よろしくお願いします。
コーラスクラブ、
頑張ってください。
以上