「マルタン丸山」のホーム・ページです。

トップページへ・・・
「小説」の見出しページへ
「1年2組学級日誌」の始めのページへ 戻る

『 1年2組 学級日誌 』  (新長編小説) 
      ・・・半世紀前の女子高校の学級日誌・・・
        (昭和47〈1972〉年4月~48年3月まで)

  




【6月24日(土)晴れ 1番A・M】

 76日目に一回りし、

1番の私に日誌が戻ってきました。

 この頃、夜寝る時など、

いつもこう思うんだ。

高校生になって不真面目になったって。

そりゃ、元々真面目なほうではなかったけど……。

早弁はするし、先生に反抗するし、

大声でアホみたいな事ばかり言って、

アホみたいなことばかりしている。

高校に入学する前は、

“女らしくなろう”

“温和しくなろう”

と思っていたのに……。


 アタイ、M先生に

謝る事がいっぱいある。

1、 前に「もう早弁したらあかん」

と言われた時、“もうせんとこ”と思たん。

しやけど又してもうた。

(現在も時々する)

2、 今日、社会の丸井先生の授業の時、

この日誌を読んだこと。

でも、悪いとは反省できない。だから、

「もう、せえへんな」って言われた時、

「分かりません」と言ったんだ。

又、約束して破っても悪いし。

でも、謝るのは、

「没収して捨てられる」って言った。

自分一人のものじゃかまわないけど、

日誌は、クラスみんなのものだ。

この誌上をお借りして、

クラスの皆に謝ります。

無事、日誌は変換されました。

「ごめんね、みんなをびっくりさせて。」


3、 M先生に反抗したり、

ボロクソに言ったり、

話しの途中で茶化したりすること。

それは、私の心に

壁や垣根があるからなんです。

一生懸命築いてきたのです。

まだ、10分の1もできていないのに、

先生と話しをしていると、

守り抜いてきた壁を壊そうとしている。

それを必死になって止めているから、

あんな風に茶化してしまうのかな?

もち、先生のいろんな話をいっぱい聞きたい。

でも、壁を取り壊さないでほしい。

壁の中身は自分でも分からない。


 話しは変わって、

1度自殺したことがあります。

原因はいろいろありますけど、

実行に移させたのは、

本当に些細(ささい)な事でした。

結果は、ご覧の通り生きていますから、

失敗。

もう、2年になります。バカでした。

やり方が幼稚過ぎました。

カミソリで左の静脈を切ってみたんです。

でも、勇気がなく、

最後まで切れなかったんです。

だから、傷もすごく浅くて、

自殺しようとして切ったなんて

思えない程の傷です。

このことは、

一番上の姉と数人の友達が

知ってることです。

でも、みんなが

「自殺」について考えている人が

多い様だから書くんです。

(隠しておけないのかな?)


 私、「自殺」に対して、

すごく憧れを持ってたんです。

今でも、その考えを否定する事は、

出来ません。

自分自身、すごく甘えてるんです。

まだ、人生なんてものを知らないくせに。

ヨワインです、人間は皆。

私、自殺を全面否定出来ません。

で、でも、でも、

自殺という事を考える前に、

生きているってことの

素晴らしさを考えたいんです。

考えてほしいんです。


 来年の夏休みには、

北海道へ行こうと思っています。

小さい頃からの夢なんです。

そして、青空の下の青々した牧場で、

汗びっしょりになって働いて、

走り回って、寝ころんで、広い青空の下で、

生きているって証をつかんでみたい。

これが、私の夢です。

でも、時々私は「死にたい」と言います。

しかし、絶対、死にません。

だって「死ぬ、死ぬ」って言う人間ほど

死ぬ勇気はないんですから。

(もち、私もその一人)


 一つ喜んでください。

友人との交換日記が、

28日で3年目になるんです。

家にノートを持って行っても

何もしゃべることがない。

そんな二人が、

一冊のノート(もう3冊目が終わる)で、

しっかりと結ばれているんです。

やっぱりうれしいですね3年目。


 あーあ、

男に生まれたかった。

(昔はつくづく思った。)

でも、今は女に生まれて良かった。

だって、「JK」は、女子校だもん。

女に生まれたおかげで、

先生やみんなに逢えたんだモン。


 「アンネの日記」

のテレビ映画見たかった。

先生、見た?

私は、母と

「クインメリー愛と悲しみの生涯」

の試写会に行っていた。

さようなら

==========/================/=============

 昨日の日曜洋画劇場

『アンネの日記』

を見ました。

もうこの映画も3~4度になる。

初めて見たのが、

中学生の時だった。

学校からの映画鑑賞で道頓堀の

「松竹座」にいったんだけど、

感動してしまった。


 3年前、

オランダの首都アムステルダムに行った時、

このアンネ・フランクの隠れ家に行きました。

アムステルダムは、

運河の街であることは、

君も知っているだろう。

草色をした水が、運河に漂う。

水と同じ高さの石畳の道路。

運河から見て、

その道路に面した所に三階建ての建物が、

もう薄茶色になって建っている。

ただし、表から見て三階建てだけど、

実際は、五階建てで、

表からは見えない。


その建物の前に立ち、

恐る恐る左の急な階段を、

三階まで上る。

目の前に小さな部屋があり、

木で作った、高さ1メートル50センチ位の本箱が、

半分開けてある。

その本箱の後ろが、

四階と五階に通じる入り口なのだ。

小さな階段を5階まで上がる。

小さな部屋に

小さな窓が一つある切り。

アンネ・フランクは、

毎夜、ここからアムステルダムの

空を見上げていたのだ。

六畳程のスペース。

ここに二年間、

フランク一家は、閉じこもっていた。

恐怖におののきながら……。

何故、彼らは、そこに、

二年間も閉じこもっていたのか?

それは、

『生きる』ためである。

1分でも、1秒でも長く生きたい!

人間の「生」への執着心である。

僕達は今、

そんなせっぱ詰まったものがない。

死を本当に時計の針が動くのと

同じように感じた事がない。

僕達は、もう一度考え直すべきだ。

生きることの重要性を!

人間は、生きていて初めて人間である事を……。

 『アンネの日記』

の最後の言葉が好きだ。


 “人間って、本当は、みんな、いい人なのよ!”


ぼくから君に、この言葉を贈ろう。

“人間って、みんな、いい人なんだ!”


 話しは変わって、

君はやっぱり女の子として

生まれて良かったんだよ。

君っていう女の子は、

この世に一人しかいない。

この広い世界に女の子として君しかいない。

それを知るべきだと思う。   

    以上

 追伸、「落語研究同好会」

よろしく頼みます。

君に期待する。

============/===========/==========


・・・「6月26日 2番」へ 進む・・・ 女子の落語は・・・

・・・「6月23日 55番」へ 戻る・・・ 私の家族・・・

・・・「6月22日 54番」へ 戻る・・・ ボーイフレンド・・・

・・・「6月21日 53番」へ 戻る・・・ 神様はいるのか・・・

・・・「6月17日 52番」へ 戻る・・・ 固定観念・・・

・・・「6月17日 51番」へ 戻る・・・ 友情・・・

・・・「6月16日 50番」へ 戻る・・・

・・・「6月15日 49番」へ 戻る・・・

・・・「6月14日 48番」へ 戻る・・・



・・・「6月13日 47番」へ 戻る・・・



・・・「6月12日 46番」へ 戻る・・・

・・・「6月11日 45番」へ 戻る・・・

・・・「6月10日 44番」へ 戻る・・・

・・・「6月9日 43番」へ 戻る・・・

・・・「6月8日 42番」へ 戻る・・・



・・・「6月7日 41番」へ 戻る・・・

・・・「5月27日 40番」へ 戻る・・・

・・・「5月26日 39番」へ 戻る・・・

・・・「5月25日 38番」へ 戻る・・・

・・・「5月24日 37番」へ 戻る・・・

・・・「5月23日 36番」へ 戻る・・・

・・・「5月22日 35番」へ 戻る・・・

・・・「5月21日 34番」へ 戻る・・・

・・・「5月20日 33番」へ 戻る・・・

・・・「5月19日 32番」へ 戻る・・・

・・・「5月18日 31番」へ 戻る・・・

・・・「5月17日 30番」へ 戻る・・・

・・・「5月16日 29番」へ 戻る・・・

・・・「5月15日 28番」へ 戻る・・・

・・・「5月13日 27番」へ 戻る・・・

・・・「5月12日 26番」へ 戻る・・・

・・・「5月11日 25番」へ 戻る・・・

・・・「5月10日 24番」へ 戻る・・・

・・・「5月9日 23番」へ 戻る・・・

・・・「5月8日 22番」へ 戻る・・・

・・・「5月6日 21番」へ 戻る・・・

・・・「5月2日 20番」へ 戻る・・・

・・・「5月1日 19番」へ 戻る・・・

・・・「4月28日 18番」へ 戻る・・・
・・・「4月27日 17番」へ 戻る・・・

・・・「4月26日 16番」へ 戻る・・・