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『 1年2組 学級日誌 』 (新長編小説)
・・・半世紀前の女子高校の学級日誌・・・
(昭和47〈1972〉年4月~48年3月まで)
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【1月22日(月) 晴れ 29番 T・N】
この日誌の順番が回って来た。
苦手中の苦手。
今日朝から頭痛がして
すっきりしなかったが、
元気をだして学校に行ったが、
そのお陰で日誌を書くことになり
悲観しています。
1月17日は、
我が家では
『金色夜叉(こんじきやしゃ)の日』
と呼んでいます。
主人公の「貫一」が
熱海の海岸で
「お宮」をけ飛ばした日だそうです。
そのせいかその日は
一晩中雨が降っていました。
(この日誌の17日は
「雨」となっています。)
『金色夜叉』で
思い出したことがあります。
それは、
歌留多(かるた)会で貫一お宮が
知り合うようになるのですが、
その歌留多(百人一首)について、
私の「自慢」する事があります。
「百人一首」の歌留多は、
初めの5字が分かると、
あとはほとんど全部
覚えてしまったからです。
何故か種をあかせば、
小学校の頃から私の家では、
お正月が近付くと、
毎日のように家族4人で
「百人一首」をしたものです。
何故なら、お正月には、
父の会社の方(7~8人)が来られて、
「歌留多会」をするのです。
私も分けも分からないのに、
よく読まされました。
だからほとんど意味も分からず
覚えてしまったのです。
今度の「古典」の試験で
「百人一首」があり、
嬉しかったです。
これが私の取り柄というか
自慢話です。
一つでも取り柄があると、
気持ちのいいものです。
それから「失敗」を一つ。
冬休みに「鳥取県」の
「浜村温泉」に
(スキーではなく、
温泉につかるため)
家族で行ったのですが、
その時、歯の矯正(きょうせい)のため、
夜だけ口にはめて寝る
「歯型」を、
旅館の洗面所に
忘れてきたので、
家に帰ってすぐに電話で
聞き合わせをしたのですが、
見当たらないとの事でした。
やっぱりぬけているんだなぁ、
と自分で感心しています。
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尾崎紅葉(おざきこうよう)の
『金色夜叉』を読みましたか?
貧乏学生「貫一」の
婚約者「お宮」は、
お金とダイヤに目がくらみ、
銀行頭取の「富山(とみやま)」に嫁ぐ。
ああ、恋に破れた貫一に残されたものは、
「お金」という、
人の心を変えてしまうものへの
執着心だけである。
「高利貸(こうりかし)」、
それが彼に残された
ただ一つの職業である。
『金色夜叉』、ぜひ読んで下さい。
言葉が分かりにくいですが、
古文をやり始めたので、
案外読めると思います。
人間ってどうしても
「お金」の事が中心になってしまう。
だけど、やっぱり
中心になってはいけないと思う。
「清く・正しく・美しく」と
宝塚のキャッチフレーズにあるけれど、
教師の場合、これをもじって
「清く・貧しく・美しく」が本当だと思う。
でもそれで良いと思う。
「清く・貧しく・美しく」を、
ぼくのキャッチフレーズにしようかな・・・。
「百人一首」・・・
学校でも大会があります。
ぜひ、クラス代表で出てほしいです。
たのしみにしています。
以上