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『1年2組 学級日誌 』  (連載小説) 
      ・・・半世紀前の女子高校の学級日誌・・・
        (昭和47〈1972〉年4月~48年3月まで)

  

  



【4月27日(木)雨 17番S・T】

 「JK」の付属中学の1年の時に

「バトンクラブ」に入り、

初めは下手くそで、

「上達するのかなぁ」と、

ちょっと自信がなかったけど、

苦しい練習を続けているうちに、

だんだん慣れてきた。

そして、私の初舞台は、

「西ノ宮球場」で“ポンポン”を

持って行進したことです。

中一で私だけが出して貰い、

その時の気持ちは、

なんとも言えないほど嬉しかったです。

それを切っ掛けに、

「万博(昭和45年1970年)」

に出して貰えるようになった。

 「大阪万国博覧会」で

一番印象に残っていることは、

「世界のお巡りさん、さようなら」

という題で、

各国のお巡りさんと一緒に、

プラカードを持って、

「お祭り広場」を行進したことです。

私は、

フィリピンの国のプラカードを

持って行進しました。

行進が終わって

控室に入った時に、

フィリピンのお巡りさんから

私にハンドバックがプレゼントされました。

そのバックは、

今も大切に使っています。

 バトンを二年間やって、

集団生活を学びました。

運動クラブには、

独特の厳しさや楽しさがあって、

本当に楽しかったです。

「なぜ2年でやめたの?」

って先生は聞くでしょうね。

それは「人間関係」のことです。

「友達」とうまくいかなくなっていき、

ついにやめた。

それに勉強もさがりつつあったので……。

 その後、

中3からタイプクラブに入部し、

今もタイプをやっています。

高3まで続けるつもりです。


 私は一人っ子で、

兄弟姉妹の味をしりません。

M先生初め1年2組のみんなを

兄弟姉妹のつもりで、

助けあっていきたいと思います。

何の委員にもなっていませんが、

世話をするのが大好きです。

どんな用事でもいいですから

言いつけて下さいネ。

また、分からないことがあったら、

聞いて下さい。


 「読書」を努力していますが、

なかなか進みません。

何か本を好きになるコツを教えて下さい。

それでは、これで……。

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 君にお礼を言います。

それは、あの大きな貴重品入れ

(体育時間に預かって入れる貴重品袋)を

作ってきてくれたことです。

これまで、紙袋だった

(すぐに破れた)のに、

布の袋を作ってくれた。

嬉しく思います。

あまり書くと君が照れそうに

するだろうから、

もう一度ありがとうと書いて、

このことには触れないようにします。

ありがとうございます。

 クラブで中途退部する多くの原因は、

君も書いているように、

「人間関係」でしょう。

しかし、これはどの社会に行っても

あることでしょう。

ぼく自身も

何度も「人間関係」で悩まされました。

しかし、ぼくは考えたんです。

「人間関係」を見るのも、

一つの社会勉強であり、

自分以外の人間を知るの勉強だと。


 「他人の振り見て、我が振り直せ。」

という言葉がありますが、

「他人」の事で嫌なことは、

自分もしないようにする、

ということです。

そして自分を正す事です。

「他人」を軽蔑したり、

憎んだりしないことが大事だと思います。

「他人」にも素晴らしい事は、

いっぱいあります。

それを見つけ出すことによって、

「人間」というものを知ることができます。

もちろん、

一人の人間のほんのわずかの事で

しかないでしょう。

しかし、それらの一つ一つが積み重なって、

「人間」というものを知ることができるのだ、

と信じています。

君も一つの「人間関係」で勉強に

なったと思います。

また、前を向いて前進して行って下さい。


 今、タイプクラブに入部して

いるそうですが、

前日の「16番KS」さんも

入部したそうです。

君の方がクラブでは、先輩です。

「世話するのが大好き」

と書いてくれているので、

よろしくお願いします。

 本を読むのが好きになるのは、

自分の心と本の内容がぴったり

一致することが重要です。

自分の今の心境・心情・気持ちと、

読み始めた本がぴったり合ったときに、

読書が楽しみになります。

なかなかそうならない人は、

本の内容と自分とを重ねて、

想像しながら読んでみることも

一つの方法です。

自分が主人公に成りきって

読書する方法もいいと思います。

ぼの場合は、これです。

どんな本でも、主人公に成り切ります。

想像をいっぱい働かせて読みます。

それから、君がいま求めている心と

同じになれるような本を選んでください。

友人が感動した本を読んでみることも

良いでしょう。

書評(ショヒョウ・本のあらすじやを

紹介した文章)

などを読んで

興味を持った本を読み出すのも

いいと思います。  

     以上

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