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『 1年2組 学級日誌 』   (新長編小説)
      ・・・半世紀前の女子高校の学級日誌・・・
       (昭和47〈1972〉年4月~48年3月まで)

  

  






 【4月13日(木)晴 5番U・N】

 まず、私の中学3年生のクラスの

ことを話したいと思う。

このクラスは、

とてもにぎやかなクラスだった。

男子には組織というものがあって

(でも弱いものいじめはしない)

その男子たちは、

いつも ボーリング をして遊んでいた、

といっても

本当の ボーリング ではなくて、

小さな物だけど、

自分たちで 板にスパットを書いたり、

いろいろな物を作って遊んでいて、

にぎやかなクラスだったが、

とてもよいクラスだったと思う。

 また、女子は女子で

男勝りの子がいっぱいいて、

その中に私も入っていた

(そんなふうには

見えないかもしれないけど)

よく騒いで怒られたこともあった。

でもそのうちに、

「高校入試」。

皆ばらばらの

異なった学校へ受験、

その時私の 悲劇 が起こったのだ。

 見事に 公立高校 の

受験に 失敗 した。

自分の 受験番号 がなかった時、

言いようのない気持ち だった。

今のクラスの中にも

私と同じような子もいると思う。

今から思えば、

あの時

もっと勉強をしていればよかった

と後悔している。

これから 悔い の残らないように

していきたいと思う。

いや、

絶対にそうでなければならない!

今迄( 過去 )のことは

これぐらいにして、

後になりましたが

「 自己紹介 」を少し。

 大阪市内の

A中学校よりまいりました。

見かけは

おとなしそうに見えますが、

本当はそうではありません。

私の知っている人は皆

“ オテンバ ” だというでしょう。

中学の時は 

クラブに入っていませんが、

運動 は好きです。

趣味 は別にありません。

皆のように詩も書けませんし、

あまり好きでもありません。

しかし テレビは、

人以上によく見ます。

なにしろ

ジャマクサガリで

いつもお母さんがボヤいています。

私の好きな科目は、

得意ではないが「 数学 」が好きです。

でも中学校の時の一学期は

まあまあ良かったが、

二学期・三学期に

なるにつれてだんだん

下がっていってしまいました。

やっぱり 勉強しなかった せいですね。

また、面白いことに

「 国語 」の時間、

いつも読みが当たるのです。

あの先生は、

私がヘタなのを知って

あてるのかもしれません。


これから1年2組の一員として、

クラスの皆と一緒に

やっていきたいと思います。

悔いのない

高校時代をおくりたいとおもいます。

よろしく。


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 君が公立高校の発表日に、

どれほど悲劇的な状態だったか、

実によくわかる。

自分が望んでいた

状態にならなかった時、

人間は、どれほど絶望的になり、

苦しみ悩むか。

それは、

人間が生きていく一つの試練なのだ。

人間が生きていくのに、

試練は何度あるのだろう。

しかし、

その試練が人間を

より高めるものだ。

昔から

「若いうちに、苦労しておけ!」

「可愛い子には旅をさせろ!」

などと言う。

事実そうなんだ。

苦労することによって、

いろいろなことを知り、考え、経験する。

そのことによって、

自分を知り、

他人を知ることが出来る。

そして、

自分という人間をより高め、

他人をもより高めようとする。

もし、その試練の時、

ただ泣くだけだったり、

何も考えなかったり、

逃げたなら、その人間は、

また同じような

試練に立たされたら、

また、逃げて、隠れて、

暗い人生を送り、

ダメな人間になるだろう。

どこかで、

その試練と立ち向かい、

打ち破り、考え、自分を知り、

自分を向上させなければならない。

君はこう書いてくれた。

「これから悔いの残らないように

していきたいと思う。

いや、絶対に

そうでなければならない!」

ぼくは嬉しい。

君がこの言葉を書くだけでも、

君は自分を向上させている。

素晴らしい。

これからは、

何をするにも思い切りやれ!

公立高校の入試に

合格しなかった人たちよ、

これからは、

悔いの残らないように

思い切りやれ!

若さをぶつけろ!

そうすれば、

君たちの新しい

望みや夢や理想が生まれる。

君たちよ挫(くじ)けるな!

新しい望みや夢や理想に前進だ!

俺についてこい!

俺も頑張っている。

人間味のある教育者になるために、

頑張っている。

やって行こう。

これから3年間。

卒業する時、

「私の高校生活は、成功だった!」

と言えるように。

 1年2組の諸君!

みんなでやっていこう!

 (なんか、テレビか映画の

「ラストシーン」みたいや、

この台詞……。)

            以上

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