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『 1年2組 学級日誌 』  (新長編小説) 
      ・・・半世紀前の女子高校の学級日誌・・・
        (昭和47〈1972〉年4月~48年3月まで)

  


  



【5月27日(月)雨後曇り後晴 

39番H・M】

 やっと中間考査が終わった。

ほっとする。

 最初に断って起きますが、

私は「 学校の先生 」という人は、

大嫌いだ。

母も同じくそうだ。

だから、

家では「先生」の 悪口 

をいつも雑談でする。

私も母も胸がすっとする。

M先生に一言。

M先生はいつも弁解ばっかりするので、

イヤーだなと思う。

弁解なんかしなくても自分が

こうだと思ったら、

それでつっぱったらいいのに。

今日だって、

私が喋ってたから

先生が頭をたたいたけども、

あんなの一つも気にしてないのに、

私が泣いたのは、

勝手に勘違いして弁解ばっかりして、

嫌だ嫌だ。

それに、

もっと男らしくなってほしい。

先生を見てると

そんなのが全然見受けられない。

それと、物事のあまりシツコク

(何回も同じことを)言わないでほしい。

これは私の勝手な考えだけど、

御願い申しまする---------?

(あほの坂田さんの物まね)

すっとした。


   私は映画好きです。

特に洋画です。

アラン・ドロン、

エルビス・プレスリー。

ジュリアーノ・ジェンマ……。

かっこいいし、筋だって迫力がある。

 今何を書いているのか、

自分でよく分からない。

鉛筆の動くままに気ままに書いている。

私は、自分の事があまり理解できていない。

気ままに育ってきて

何でも自分の思う通りになると

思っている私には、

先生方という人物は、

どうも理解できない。

先生方の意見と

私の意見は全然違う。

親が言うには、

私は 理想主義 だいうことだ。

あまりにも 理想 が高すぎると

いうことだ。

いくら追っかけても、

到底追いつかない。

付いていけない 理想 を

持っているのだから、

現実性 というものがない。

このことには、先生理解できますか?


 私の詩を書きます。

「 私 」という題です。

   私はどうしていつも

変なことばかりするのだろうか。

どうしていつもわがままこと言って

人を困らせるのだろうか。

 どうしていつも迷惑ばかりかけるのか。 

   どうしてこんな何でもないことが

聞き分けられないんだろうか。

   いつも、いつも、いつも私は……

   自分では一生懸命それを直そうと

しているのだが……

   だれもそれを理解しょうと

してくれない

   私はとてもサビシイ

   私はとてもワビシイ

   私はとてもそれがカナシイ

============/===========/======

 君の日誌を読み始めた時、

この紙面で、

君が書いている昨日の事を書こうと思った。

ちょっと 憤慨(ふんがい)

 して書こうと思った。

しかし、

君の詩を読んで書くのをやめよう

と思った。

君の詩が実に 素直 だからだ。

ぼくは君にその素直さを求めていた。

君はものすごく素直なのに、

何故それを出せないんだろうと思っていた。

しかし、

君の詩を読んだ時、

君自身、それに気がついていることを

知った。

そしてその素直さを

十分に表現出来ている事を知った。

ぼくは嬉しかった。

後は君が君自身、

その素直さをどこまで前進させるか、

ということだけだ。

これは難しいことかもしれない。

しかし、君自身それを

やらねばならないだろうと思う。

君が生きていくために、

君が成長するために、

君が前進するために。


 昨日から、

大学の教育実習の先生が

いらっしゃっていますが、

みなさんよろしくお願いします。


 そうそう、

一昨日の「クラスみんなで動物園」に

行く予定が、

雨のために行けなくなったけど、

君はどこに行ったんだい?


 ぼくは映画に行きました。

道頓堀の松竹座の

『死刑台のメロディー』。

音楽が素晴らしい のでつられて行った。

内容は、

1920年代(ギャングのカポネ時代)、

アメリカにおける 共産主義 に対する 

弾圧 を描いたものだ。

明らかに 無実 である二人の

イタリア人が、

共産主義であるということで 

罪を犯した として、

死刑 にされていく。

ちょっと内容暗いかな? 

  以上 

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