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『 1年2組 学級日誌 』 (新長編小説)
・・・半世紀前の女子高の学級日誌・・・
(昭和47〈1972〉年4月~48年3月まで)
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【9月8日(金)雨 14番K・M】
家に帰ってからズーート
この日誌を読んでいたんだけど、
本を好きな人が
なんとマァー多い事よ。
私本を読むの大嫌いなんです。
だから全然読みません。
読もう読もうと思ってはいるんだけど、
ナカナカ……。
友達が、この本面白いよ
と言って進めてくれる時は、
読むんだけど、
すぐにやめてしまいます。
母がものすごく
読書家なので困るんです。
暇さえあれば本を読んでいます。
少なくとも
1ヶ月に2冊は読みます。
この夏休みも
10冊読まなくてはいけなかったのに
1冊も読めていないのです。
自分でもやんになるほど
読書嫌いです。
早くこの病気治らないかな……。
でも、この夏休みに
とても嬉しい事があったのです。
私は
「男女交際」について
とても悩んでいたのです。
それは、両親が 男女交際 はいけない、
してはいけない、
と言っているからです。
私、何でいけないのか、
全く分からなかったのです。
ただ
“いけない”
の一方的な考えかなとも思いました。
でも、母はそれを 本 で教えてくれたのです。
夏休みも終わりに近づいてきた時の事です。
母が私に
「この本を読んでみて、お母さんも読むから」
と言ったのです。
この本とは、
『思春期の性と悩み』
でした。
この日は、1日中、母と
男女交際 について話し合いました。
とても良い1日でした。
私は中三の時から、
お母さんとよく話し合います。
時には、大喧嘩もします。
この頃は、喧嘩ばかりしています。
でも、とってもためになるんです。
お母さんの考えが分かるからです。
特に、うちの母は
今の若い人の気持ちが分からないのです。
でも、あの夏休みの日は、
「お母さんも間違っている所もあったから、
この本を読んでみて、
あんたも間違っている所もあるよ。」
この言葉が最高に嬉しかったです。
今年の夏休みは、
このことを話し合うために
あったようなものでした。
それから、゛アノコ゛のこと、
読書好きじゃないんだって。
マンガばかり読んでるんです。
私マンガも大嫌いです。
それでは、お休みなさい。
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君の日誌を読んで、
嬉しく思います。
君が一生懸命真面目に考えよう
としている事が分かります。
それと同時に、
君のお母さんの素晴らしさも、
この日誌に書きたい気持ちです。
年齢や世代の違いや差や思考の差を
何とか少なくしようと努力している、
立派な方だと思います。
君の書いていた本
『思春期の性と悩み』
(木崎国嘉著、三晃書房、480円)
この日誌を受け取ってから、
すぐ学校の前の本屋さんで購入し、
今読んでいます。
この本、本当に良い本です。
思春期時期の子供も親も
読むべき本です。
ベストセラー
になっている本です。
ぼく自身、まだまだ、
勉強不足だと気付きました。
全部読み終わったら、何かの機会に、
みんなに報告 しょうと思います。
ねえ、本って素晴らしいね。
君とお母さんが本を通して 対話 が進んで、
お互いを理解しあえるのだから……。
ぜひ、読書 好きになって下さい。
続きを読むので、今日はここまで。
以上