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『  1年2組 学級日誌 』  (新長編小説) 
      ・・・半世紀前の女子高校の学級日誌・・・
        (昭和47〈1972〉年4月~48年3月まで)

  



【9月19日(火)晴後曇 22番T・K】

 まあ!何と時の過ぎるのは

早いものか。

一回目にこの学級日誌に書いてから、

今もう二回目が回って、

ノートの分厚さも

一回目の三倍にも達しているではないか、

と思う次第であるのであります!

 まあ、その間にも

「夏休み」があったので、

その事について。

 夏休みの初めは、

毎日の暑さに何をする気もなく、

宿題はもちろんの論です。

八月頃になってやっと

宿題を始めたまでは良かったが、

頭をひねるばかりで、

全然はかどらないのには困りました。

が、困難の上の困難にもめげず(?)

まあ何とか先生方のお叱りを受けずにすんだのは、

良かったね。

その夏休み40日間も、

入ると同時に終わったのも

同じ事だったようです。


 私は、この頃、

「自分がいやになる」

時があります。

それがなぜだか全然分からないから

困りものです。

時としてものすごく心の中が

陽気になったり、

心の中が憂鬱(ゆううつ)になったり……。

陽気になったときは

冗談ばかり言っているんですけど、

憂鬱というか心が沈んだような時は

、物を言うにもおっくうで、

顔が無表情で、

人の顔を目を合わせるのさえ

いやになってしまうのです。

そして、自分がやっていることが

馬鹿ばかしくなったり、

ちょっとしたことでも、

いらいらしてしまうんです。


 話しは変わりますが、

私が今すぐに

「会いたい人」が二人います。

一人は中学時代の友達で、

Mさん(もちろん女の子)です。

会おうと思っても、

奈良の学校と大阪の学校なので、

すれ違いになってしまって

なかなか会えません。

Mさんに会って、

思っていることを話してしまうと

何だかすっきりするんです。

 もう一人は、○きな人で、

まあ、相手も分かってくれてると

思うんです、私のことを……。

でやっぱり

すれ違いになって会えないとねぇー。

分かります?、この気持ち。

あっ!それから、Mさんと○きな人は、

同じ学校なんです。


   さて、話しは変わりますが、

「台風」で、先生の部屋の壁が、

ドサッと落ちたのですか?

それはどうも

ご愁傷様(しゅうしょうさま)でした。

私の家は奈良ですが、

すきま風がひどかった位で、

あまり何もなかったんですよ。

25番のDさんの家の

塀が倒れたように聞きました。


   最後に、私、この前から

「眼鏡(近眼というもの)」を、

黒板で見えない字がある時だけ

かけてるんです。

組の中でもまだ知らない人

いるんじゃないかな?

でも、まだかけてからまもないので、

眼鏡をはずすと、

目がチーカ・チーカしてしまうので

アーリマス。

M先生、眼鏡似合ってます。


 今日は、朝早くから来ていたので、

お弁当を開いて食べてしまったのだノダ。

でもやっぱり3時間目が終わると

お腹の虫がグーなって……。

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 「眼鏡」の事だけど、

ぼくが近眼になり出したのは、

そう、あれはもう十数年前の

中学2年生のことだ

(この辺りから、物語風に読んで下さい)。

 雨が毎日のように降り、薄暗く、

ジメジメした六月の朝の

授業を受けていた時だった。

国語の時間だったけれど、

先生が芥川龍之介の

『クモの糸』と黒板に書かれたのだが、

ぼんやりして見えにくい。

ちょうど、目を強く押さえた後のように

ボンヤリとしか見えない。

原因は分かっている。

2ヶ月ほど前、ぼくが本を読み始め、

毎日毎晩ぶっ続けで読んだためなんだ。

目が疲労困ぱいしていた。

しかも、座席は一番後ろだった。

そのために、黒板を見るために、

目を細めて見なければならなかった。

この顔で目を細めた顔なんて

人に見せられない。

そこで、眼鏡を買ってもらった。

しかし、これまたこの顔の眼鏡はダメで、

授業の時だけかけたりはずしたりしていた。

この状態が、大学の卒業まで続いた。

無論、目はどんどん悪くなる。

大学卒業後、大学院に行きながら、

学校の先生(男子高の講師)をしていたのだか、

なんと、初めて教えたのが高校3年生だが、

3年ともなると、

もう「おっちゃん」って感じで、

髭(ひげ)は生やすは、

背が高いは、

髪はポマードを付けて

オールバックにしているは、

驚いてしまった。

採用が決まった日の面接で、

校長先生が

「授業中は、絶対笑わないで下さい。

3ヶ月は続けて下さい。

でないと今の生徒は、

人をナメ、バカにします。」と言われた。

そこで、ぼくは

貫禄を付けなければならなくなった。

よって、この童顔を、眼鏡でカモフラージュし

変えることに成功したのである。

以上全巻の終わり。

 目が近視で、一番得する事は、何だ!

それは、

「この世界すべてが、

美しく見える事(特に女性)。」

映画の回想場面のように、

ボンヤリとしていて素晴らしい。


   君の「この頃」の状態だけど、

書いてる事だけで推測すると、

かの有名な

「躁鬱(そううつ)病」というものか?

「躁(そう)状態」は、憂鬱(ゆううつ)になり、

「鬱(うつ)状態」は、興奮する。

この病気(?)

学者や作家で頭の良い人が多いそうだ。

ただし、女性で15才から18才の

思春期の時期にもおこる、

少女趣味病もある。

この場合は、その年齢が過ぎれば

全快するそうだ。

君はどっちかな? 

       以上

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