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『 1年2組 学級日誌 』 (新長編小説)
・・・半世紀前の女子高校の学級日誌・・・
(昭和47〈1972〉年4月~48年3月まで)
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【6月28日(水)晴れ 4番 T・U 】
大話・その1 “友情とは?”
今日のHRの時間に
「友情」について話した時のこと。
7番のOYちゃん
(いつも小さい子みたいに
飛び回ってて可愛いから)が、
太宰治の
「走れメロス」
を例に出して、
「もし、自分がメロスの友人と
同じように身代わりになってくれ、
と言われた時、
身代わりになることができるか?」
と言ったとき、
私は、
「今、身代わりになる事が出来ると思っていても、
本当にそのような事が起こったとき、
身代わりになることは出来ないんじゃないか、
と思って考えている」
と言った。
それに対してOYちゃんは、
「身代わりになれないと言うことは、
その友人を信じてない事になるから、
そんな事は腹が立つ」
と言った。
私もその通りだと思う。
でも、本当に自分が殺されるのに
身代わりになれるだろうか?
これは、私だけの問題ではなくて、
“身代わりになってやれる”というのに
手をを上げた人にも聞きたい。
人間というのは、
(臆病なもので、
普段は良いことばかり言っているけれど、
いざ、その時になったら、
何も言えないということが多いみたいだ)
今の自分は、
「身代わりになれる」と言える。
でも、自分でこんなことを言って、
本当にそんなことを言って、
本当にその時になって、
身代わりになってやることが
出来るだろうか?
自分で自分が分からなくなってきて
(情けないけど)、
両方とも手を挙げなかった。
なにしろ私は
臆病な人間にはなりたくない、と思う。
温かな人間になりたい、
M先生みたいに……。
小話・その2 “2番のIKさんへ”
IKさんが
「学級委員やる資格がないのやないか」
と思っている見たいやけど、
そんなことないよ!
IKさんは、IKさんなりに
頑張っているのやから、
自信なくすことない。頑張れ、IKさん。
話・その3 “ワテのアノコ”
“ワテのアノコ”
なんて聞いて分かるかな?
つまり“ワテのアノコ”は、
同じ高校生で、
長い間
手紙を出してなかったから
「心配やから、はよ手紙書け」
なんて来るのだ。
うれしーーい。
先生焼けるでしょう?
この顔でも男の子がいるのだ。
話・その4 “M先生について”
M先生は、
「気か良すぎる」
「子供みたい」(スイマセン)
「感受性が強い」と、
私が先生について書け、
というならこう書く。
未来のお嫁さんが心配です。
先生と同じような性格の女性で、
子供が生まれたら、
「仏様の子」ではないか
と思われる子が生まれてくる。
こんなことを書くと、先生は
「そんな事かくなよー」といつもの様に、
犬がすねたような声を出す。
その声が、
私の母性本能を感じさせますわ。
先生の理想の女性タイプは?
話・その5 “全部まとめて”
「落語研究会」のS先輩って、
面白いですね。
前から面白いとは思っていたけど、
帰りの電車で一緒に帰った時、
ものすごく面白かった。
いい先輩で良かった。
文化祭は、
着物を着て、
落語したい。
手が痛くなってきたので、
終わります。
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「友情」についてだけど、
この世で友は一番重要なものだと思う。
「友情」については、この日誌の
6月19日の51番MKさんのところで書いたので、
ぜひ読んで欲しい。
「落語研究会」だけど、
このクラスで3名が入部してくれたので
大変嬉しい。
文化祭は、
全員着物を着て舞台に出てほしい。
楽しみだ。
私の理想のタイプの事ですが、
「JK」に就職する前に、
講師で
カトリック系の男子校に行っていました。
その学校の校舎の上に、
3~4メートルの
マリア様の銅像が立っていて、
その像がとても素敵で、
両手を大きく広げてほほえんでいました。
出校日には、
校門で一礼して校舎にはいるのですが、
その像に恋をしてしまいました。
純粋で素朴な感じの像でしたので
、理想の女性のように思えました。
今も、マリア様に心を寄せています。
以上
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