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『 　1年2組　学級日誌　』　 (新長編小説)　
　　　　　　・・・半世紀前の女子高校の学級日誌・・・
　　　　　　　　（昭和47〈1972〉年４月～４８年３月まで）

　　



【１０月5日(木)晴　３５番　Ｎ・Ａ】

毎日、体育祭の

「　応援団　」の練習をしています。

大きな声を張り上げるので、

のどが痛くて……。

でも、私こんな経験をして

初めて分かったの。

何かわかる？

あのね、

Ｍ先生いつも、

クラブ　に入れって　

進めてくれた　わけ。

応援の練習をしていると、

高一の生徒はもちろん、

付属中学生・高二・高三の

みんなとも仲良くできて、

私こんな事とても好きなの。

高三と聞けば

「コワイ！」などと思っていたんですが、

みんな指導してくれたり、

時には冗談を言い合っていると、

一緒に入ってきて、

Ｍ先生みたいにノルのよ。

今度の日曜日の体育祭まで

頑張るわ！！



話しは変わって、

この間のＨ・Ｒの

「男女交際」だけど、

これから書くことは、

中学時代の私の友達が

経験したことです。

あまり皆に言ってはいけない

とは思っていながら、

少しでも役に立てば良いと

思っています。

と言うのは、

私の友達Ａさんが

Ｂ君と中学三年の春から、

付き合っていたんです。

その夏休みの　出来事　なの。

Ａさんが家の都合で

転校　しなくてはならなくなったんです。

その事をＢ君に　話したんだそうです。

それ以来Ｂ君は　

しょんぼりしていたみたいだったわ。

無理もないと思うけど。

その時だったの。

ある日Ａさんが私の所に来て、

「私、Ｂさんとキスしたの」

と言った。

私は、一瞬

ぼう然と立ちすくんでしまった。

何と言っていいのか

分からなかったからです。

まず、理由は、

Ａさんが転校するからだったんです。

私は、いくら二人が

離ればなれになっても、

互いに信じ合っていれば、

二人の仲はどんなに遠くても

付き合っていけると思うわ！

でも、ＡさんとＢ君にとって、

その事は互いに

考えあった末の事であったので、

私はあまり口出しはしませんでした。

でも、その時から私はＡさんを

見る眼は変わったと思うのです。

何故だか分かるでしょう？

でも、結局はいろいろと

受験の事があったので、

Ａさんは　転校しません　でした。

だから私は、

「このＡさんとＢくんの仲は、

ますます　進んで行く　のではないかな！」

と思っていた、

その矢先に、

Ｂ君には

他に好きな人　が出来たんです。

Ｂ君は私に、

「Ａさんにその事を言ってくれ」

と言ったんです。

私はＡさんの気持ちを良く知っていたので、

断りました。

すると、Ｂ君は自分で

「僕には他に好きな人が出来たんだ」と、

Ａさんに打ち明けたんです。

その時Ａさんは、

自分のいた場所から

駆けだして行ってしまったんです。

そんな時、私はどんな事を言って

元気付けたらいいのかは、

分かりませんでした。

でも、この時分かったんです。

『男の子は、恐いって！！！』

そうでしょう、

Ｂ君は、他の人が好きになったにしろ、

Ａさんは、どれほど傷ついたでしょう。

「私だったら嫌だなあ！」

男の子とキスした事が、

いつまで経っても　嫌な思い出　として、

心の中に残るんだもの！

でも、

Ａさんはそうではなかったのよ。

Ａさんは、

「キスしたことを良い思い出にする」

なんて言ってたわ。

私はＡさんの気持ちが

分からなくなったの。

でも、それからＡさんも、

誰かと付き合っていると、

思えました。

うまく言えなかったけど、

友達の事は、

これでオシマイ。



続いて、

10月２日の

32番ＮＴさんの日誌

に書いてあったんだけど、

「女の子はどうして

ボーイフレンド（ＢＦ）に

左右されるんだろう」て。

私はそんなことないと思うわ。

みんながそう思っていても、

私はそう信じるわ。

本当のＢＦあるいはＧＦ同士であれば、

いけない事をしようとしているのなら、

注意しあうのじゃないのかしら。

少なくとも私はそんなＢＦを見付けたい。

でも、私のＢＦになる人　かわいそう。

だって、私は、ゲラでわりと泣き虫なの。

またその反面、

すごく気が強いので、

いくら相手がＢＦでも

ずばずばと言う主義なの。

だから時には、

きつくあたることもあると思うわ。

そして、ＢＦだからといって、

言うことも言えず

相手の言いなりになるのは嫌い！！！

やっぱり男の子はたくましく

強い人がいいわ。

でも、私のこの考え方は

ダメかしら？

どう思う？

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君の心の中に閉まっておいた

友達の事を、

書いてくれてありがとう。

以前にも書いた

（10月2日）けど、

男子は女子を一度でもその行為を許せば、

その行為が出来る事を考え、

またそれ以上を求めようとする。

責任の持てない年齢ならば、

なおさら相手をただ　行為の対象　としてしか

見ないようになり

（内心は　軽蔑　の気持ちを持ち）、

もっと美しいものを求めて

去っていく場合が多いのだ。

男子は、男子が求めたら許す女子を

内心　軽蔑し、

また女子同士もそのような女子を

軽蔑　に近いものを持っているのではかいかな、と思う。

だから、君が書いているような

「男女交際」が良いと思うし、

10月2日の32番ＮＴさん曰く

「ファミリー・ファミリー」って感じも良いと思う。

8日の体育祭の

「応援団」、

頑張って下さい。

先輩が出来、

いろんな人と友に成れたことを

喜びます。　　

　以上

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