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『 1年2組 学級日誌 』 (新長編小説) 
      ・・・半世紀前の女子高校の学級日誌・・・
(昭和47〈1972〉年4月~48年3月まで)

  



  



【4月10日(月)晴のち雨 2番I・K】


 「JK」に入学して今日で3日目。

まだ学級も盛り上がってないし

(あたりまえ)、

中学校のころが楽しすぎたせいか、

今はまだあまり楽しいとは思わない。

めったに人前では

泣かない私だったのに、

中学校の卒業式の時は

涙がポロポロ出て、

「先に泣いた方が

アイスクリームをおごること」

という友達との戦いも、

私の・・・負け・・・。

 「オレは男だ!泣いてたまるか」と、

ご立派な意地をはったのに……、

中学校でこれだけ泣けたのは、

やっぱりすばらしい「なにか」が

あったからだったと思う。

友達も本当に良かった。

クラブだって好きなだけやったし。

たま……に、

勉強だってやった(つもり)。


 中学校は本当にすばらしかった。

でも私は、

いつまでも中学のことを

思い出していいるのは、いけない。

もう私は「JK」の生徒なのだから。

私は、中学校で得ることが出来た

素晴らしい「なにか」を、

この学校でも得るために

走っていこうと思う。

高校の卒業式に、

中学校の卒業式で流した涙を、

また流すために。


1年2組のみなさんへ

 まじめなことを書いたつもりだけど、

自分でも面白いのです。

この日誌は

M先生も言われたように

「自分を見つめる」

ために本当にいいものだと思うけど、

書いた本人といたしましては、

少しおとろしかった。

 余白の部分を少しでも埋めるために、

このノートを手にされる方々、

すなわち1年2組のみなさんに、

私の言葉を贈ります。


     まっすぐ進みなさい-----

     止まらずに

      わき目をふらずに------

  恐れずに------


           (作者  I don’t know.)


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 ぼくは、君の文章を読んで実に嬉しい。

「もう、私はJKの生徒なのだから、

私は、中学校で得ることの出来た

素晴らしい『なにか』を

この学校でも得るために

走っていこうと思う。」

人間は、過去の事を素晴らしく思う。

その時には苦しかったけれど、

時間が過ぎていくと、

その苦しさは楽しい思い出となる。

また、楽しい思い出は、

より楽しく素晴らしいものになる。

それは、人間でしか出来ない

素晴らしいことだろう。

しかし、人間は過去の事にだけに、

縛(しば)られていてはいけない。

 「昔は良かった、

ところが今はどうも……。」

という言葉は、

老人が言う言葉だと思う。

僕らは若い!

だから、老人が言う言葉は

言わないでおこう。

老人の言葉を、

次のように換えてしまおう。


 「昔は良かった、

しかし、今はもっと良い、

未来はもっと良くしよう!」


これは、

僕達自身の努力次第で

言えるのだ。


 ところで、君はこの日誌を書くために、

かなりの時間を費やしたように

見受けられる。

何故なら、

何度も消した所が

見受けられるからだ。

君はそれを、

「おそろしたった」

と表現しています。

事実、初めての事だから

「おそろしかった」

かもしれません。

しかし、ぼくだって

このような日誌は初めてなんだ。

ぼくもおそろしい。

でも、初めにも書いて置いたけど、

「何でもいいから書く」

つもりだ。

だけど、

君が何度も消して書いてくれた

努力を嬉しく思います。

しかし、今度から、

一度書いたものは

消さずに置いておいてほしい。

文章を書いている途中で、

もし、

別のことを書こうと思い出したら、

先の文章はそのままで、

次の行から

また書き出したらいいと思う。

何故なら、

先に書いた文章も、

やはり君自身が

思い考えたものだから、

大事にしてやるべきだと思う。


 ここ一週間は、

ぼくは、実に忙しい毎日をおくっている。

疲れている。

今日は早く帰って寝るつもり。

明日には、元気でいるつもり。

 今日は、昼から雨が降り出した。

クラスのみんなは、

傘を持って来ているのだろうか。

そうそう、学校では、

生徒会で傘を貸してくれるから、

持ってきてないときには、

借りるといい。

           以上

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・・・4月11日 3番へ 進む・・・ 中学時代・・・

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