「マルタン丸山」のホーム・ページです。

トップページへ・・・
「小説」の見出しページへ
「1年2組学級日誌」の始めのページへ 戻る

『 1年2組 学級日誌 』  (新長編小説) 
      ・・・半世紀前の女子高校の学級日誌・・・
        (昭和47〈1972〉年4月~48年3月まで)

  



【5月19日(金)晴 32番N・T】

 あーあ、ついにやってきた。

ワチキが、このような日誌を書くのは、

中学校時代からだ。

ずっと書かされていた

「 回覧日記 」以後だ。

ワチキのM先生の第一印象は、

「ありふれた先生だな」

「男のくせに文字書くの好きなんだ」etcだった。

だって、クラスの子に日記を付けさせるなんて、

古い手だもん。


今日はテレビで「 バレーボール 」の 試合 を見たわ。

ワチキは、飯田さん と 古川さん が大好き。

飯田さんの ブロック はグンバツ。

古川さんは、世界一の セッタープレイヤー。

ワチキは、必死、必死で応援したんよ。

大声出して、カッコ悪い。

でも、誰も見てないから分からないもんね。

ウッシッシ。

日本勝って、

あんちゃんも嬉しいよ。

森田さんの ブロック と ドライブサーブ。

横田さんは シャープ。

大古さんは 王者の風格 がある。


ところで、話はころっと変わって、

現在 日夜 悩み 続けていることがある。

実は、ワチキは

「 私立劣等感 」に陥っている。

何かにつけて、

私立と公立の 差 を感じる。

公立に進学した人から、

何かにつけて「 私立っぽいね 」て言われる。

私立を ケナス言葉 がいくらでも出て来る。

でも、でも、

アチキは負けないぞ……。


それから、M先生に。

男のくせに何かにつけて 

ヒツコスギル と思うけどなぁ。

何でも 理論的に片付けよう 

としているみたい。

「 男は黙って勝負する 」

って感じの方がいいみたいよ。

それから、

先生からは、

熱意とか、バイタリティーなんていうものを、

あまり感じない。

でも、先生には、

何でも相談できるような感じで、いいと思う。

それじゃあ、

おやすみ。


忘れてた。これは、ワチキの意見だけど、

女の子は、

「 思いやり 」より、

やっぱり「 フェイス&スタイル 」と思うよ。

第一印象の主は、「 フェイス&スタイル 」だ。

女子校では、

よけいにそう思うよ。

これが、

ワチキのもう一つの悩みのタネ。

我がクラスには、

可愛い子が多すぎるヨ。

フェイス じゃ負けるし、

スタイルじゃ負けるし、

あんちゃん悲しいよ

( 桂三枝 さんのギャグだけど、

ワチキの好きなのは、

 笑福亭仁鶴 さんだもん)。

他のクラスの子たちも言ってる、

「2組は、

可愛い子ばかりを集めたクラスだ。

頭の中は知らないけど……」

起きててもいいことないから、

早く寝よう。

====================/====================/=================

 君が「 日夜悩み続けて 」いる

「 私学劣等感 」の事だけど、

ぼくには、理解出来ない。

勉強( 学校格差・ランク 等)の事なのか、

服装( 制服・私服 等)の事なのか、

人間性( 真面目・不真面目・不良 等)の事なのか、

ちょっと分かりにくい。

「 私学っぽいね 」の意味が分からない。


ぼく自身「 私学の大学付属高校 」の卒業だが、

「 私学劣等感 」は、全然なかった。

友人達は、皆、

それぞれの目的を持って通っていた。

ある者は、自分の趣味や特技を伸ばすため、

ある者は、将来の進路のために通学していた。

だから、皆、生き生きしていた。

生きている、って感じだった。

ある者は、公立学校に行っている人達に対して、

逆に 優越感 を持っていた。

特に 教師 に対して持っていた。

公立の先生は、ややもすると「 サラリーマン 」的で、

授業だけやって、

後はすぐに帰宅してしまい、

クラブ活動 や 生徒指導 をやらない。

その学校に 愛着 を持っていないようだ。

それもそのはず、2~3年で 学校移動 がある。

なれた頃には、

もう 人事異動。

その点 私学 は違う。

その学校に 一生 尽くす。

定年 まで頑張っている。

この「JK」という高校だってそうだ。

どの先生もこの「JK」を愛している。

ぼくだってそうだ。

この学校を誇りに思っている。

今後もより発展させたいと思っている。

もし、今の社会が、

君が書いているような

「 偏見(へんけん) 」を持っているならば、

僕達(私学の教師と生徒)で、

その「 偏見 」を変えようではありませんか。

君は、ぼくが、

「 若さ・熱意・バイタリティー 」がないとみるけど、

君にそれらを発揮してほしい。

一緒に戦おうではないか、

社会の「 偏見 」に対して!

ぼくは、それが「 若さ 」だと思う。    

       以上

・・・「5月20日 33番」へ 進む・・・ 根性と忍耐・・・

・・・「5月18日 31番」へ 戻る・・・ 有吉佐和子「私は忘れない」・・・

・・・「5月17日 30番」へ 戻る・・・ ヤンタン・・・

・・・「5月16日 29番」へ 戻る・・・ 沖縄返還5/15

・・・「5月15日 28番」へ 戻る・・・ 若草物語・・・

・・・「5月13日 27番」へ 戻る・・・ 不良学生・・・

・・・「5月12日 26番」へ 戻る・・・

・・・「5月11日 25番」へ 戻る・・・

・・・「5月10日 24番」へ 戻る・・・

・・・「5月9日 23番」へ 戻る・・・

・・・「5月8日 22番」へ 戻る・・・

・・・「5月6日 21番」へ 戻る・・・

・・・「5月2日 20番」へ 戻る・・・

・・・「5月1日 19番」へ 戻る・・・

・・・「4月28日 18番」へ 戻る・・・
・・・「4月27日 17番」へ 戻る・・・

・・・「4月26日 16番」へ 戻る・・・