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『1年2組 学級日誌 』  (新長編小説) 
      ・・・半世紀前の女子高校の学級日誌・・・
        (昭和47〈1972〉年4月~48年3月まで)

  

  



【4月26日(水)雨 16番K・S】

 入学してから2週間と五日の間に、

いろいろ悩み事があった。

そんな時に、この日誌があったら……、 

と思った。

でも順番だから仕方ない。

 それは、

「私立にいったら、・・・(不良)になる。」

と言われたことだ。

願書を出しに行く日に言われ、

それからずっと悩み続けた。

入学してからも悩んだ。

家では、母に当り散らした。

が、その人から電話があり、

「……悪くなる、のはその子の気持ち次第や」

と言われ、気持ちが落ち着いてきた。

自分が短気で、

人に迷惑ばかりかけている。

特に母に……。

母は父に話したらしく、

父が、いろいろ話してくれ、

「私立にいったら、悪くなる。」など、

一概に言えないことが分かってきた。

そして、素直になれたことを喜んでいる。

私の悩み事って一時的のものなのです。

「JK」の生徒になれたことを

喜んでいます。


 今日、タイプクラブに入部しました。

中学校の時は、バレー部に入っていた

2年で退部しました。

後で後悔した。

初めによく考えてはいったらよかったのに

と思いました。

だから、今度は3年間、

一生懸命やってみるつもりです。


 まったく意味の通じない文に

なってしまった。

でも、これが今思っている事です。


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 「入学してから2週間と五日の間に、

いろいろ悩み事があった」

ことを知って、驚いているし、

ちょっと淋しい気がします。

君にとっての僕は、

まだ相談してもらえるまでに

なっていなかった、

ということを。

むろん、入学して2週間ちょっとだから、

まだよく分からない担任に相談しに行くのは、

よっぽど勇気がいるだろう。

ベテランの先生なら、生徒の表情を理解し、

声を掛けていたかもしれない。

今のぼくには、そこまで判断できない。

まだまだ、新米(しんまい)教師です。

出来る限り声を掛けるので、話してほしい。

ぼくからも声を掛けるので、

君たちからも声を掛けてほしい。

よろしくお願いします。

 タイプクラブに入部したそうですが、

頑張ってください。

応援します。

       以上

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