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【5月17日(水)晴 31番N・T】
「高校」という言葉が頭に浮かぶと、
君は何を思うか?
私は「 青春 」という言葉。
「 青春 」それは何か?
楽しいもの、苦しいもの、
若さあふれる生活など
いろいろ考えが出て来ると思う。
「 青春 」は、私たちの目に
見えない。
それより、自分で求めて
行くものだと思う。
性格は、消極的で人から見ると、
取っ付きにくいようだが、
話してみると、
すぐその気にのってつけあがる所もある。
本は面倒くさいので、
あまり読みませんが、
有吉佐和子の
『 私は忘れない 』を読んで、
感動した。
少し内容を言うと……。
主人公の「まり子」が「黒島」に行った。
黒島は、「文明の発達していない島」
である。
島民は、大人も子供も、
テレビもラジオも自動車も知らない。
去年、やっと電気が通じて、
ラジオが聞けるようになっただけである。
人々は、
自然に頼って生活している
原始的な生活である。
万里子・校長・教頭・君雄らの暖かい友情、
そして島の子供達との心の触れ合いを、
いくつかの場面に分けて書かれている。
私は、これを読んで
自分の生活を考えた。
私たちは
何の不足もなく自由に生活している日本。
又、その反対に、
文化が一向に進んでいない日本の中の
小さな島が、
信じられない。
人間の奥底にある
「 力 」のようなものを感じた。
不思議な「 力 」である。
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有吉佐和子の
『 有田川 』
『 紀ノ川 』それに
『 私は忘れない! 』も読みました。
彼女は実証的な作家です。
かなり綿密に調査し、
それは、小説として表現しています。
しかも、女性ですから、
感受性は鋭いものを持っていて、
そのまま表現するのです。
読者に取っては
あまりにも強烈なものになります。
一人の人間の 運不運 を書くのです。
今日の授業で話した、
芥川龍之介の 『 手巾(ハンカチ) 』
という作品もよんでみて下さい。
短いですが、
明治・大正の 女性 を
象徴的に描いています。
芥川 と 三島由紀夫 と
川端康成 の共通点は、
「 武士道 」だと思います。
授業中に話したけど、
理解できたかな?
「 青春 」については、
教室の前の本立ての中の
北杜夫の『 ドクトルマンボー青春期』
が、面白いですよ。
ぜひ、読んでみて下さい。
以上
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