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『 1年2組 学級日誌 』 (新長編小説)
・・・半世紀前の女子高校の学級日誌・・・
(昭和47〈1972〉年4年~48年3月まで)
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【12月4日(月)晴れ 17番 S・T】
もうすぐ
クリスマスですね。
クラス全体で楽しい
クリスマスパーティーやりたいですね。
みんなの心一つにすれば、
JK1-2でなければ味わえない、
きっと何かが得られると思います。
先生に前に進められた
武者小路実篤(むしゃのこうじさねあつ)の
『友情』を、
今読んでいます。
読書は苦手な方でして、
ナカナカ進まず、困っています。
その中に
“人生は、空(くう)かも知れないが、
そして色即是空(しきそくぜくう)
かも知れないが、
この喜びは、
何処からくる、
この喜びは
我等に与えてくれたものに、
賛美あれよ。”
と書いてありましたが、
人生はすべて仮の姿で、
実体がないかもしれない。
形ある事物も、
すへて仮の姿であるかも知れない。
そんな事をふと考えました。
この間の11月29日の
「報恩講(ほうおんこう)」で、
講師の先生が大変良いお話を
二つ聞かせて頂きました。
一つ目は、
先生がある日、
菊の花を植木鉢に植えるため、
苗木を数本買ってきて、
良い茎の菊と悪い菊の茎とをより分け、
良い菊の茎だけを植木鉢に植えて
眺めよい場所に置き、
悪い方は固めて庭に捨てたそうです。
それから数日後、
庭に白いゴミがあるので
掃こうとしてよく見ると、
前に捨てた菊が土の水分を吸って、
精一杯生きているではありませんか。
人間に例えれば、
見捨てられた人間は、
雨にも負けず、
嵐にも耐えて、
苦労を身に付けていき、
強く世間に負けない人間になり、
正しい人生を送るだろう、
ということです。
私も世間に負けない
人間になりたいです。
二つ目は、
お坊さんとその弟子の対話。
お坊さん
「飯、食ったか?」と弟子に聞いた。
弟子
「飯は頂きました。」
お坊さん
「じゃあ、茶碗、洗っておけ。」と言った。
私はこの言葉を聞いて、
何とも 恥ずかしい気持ち になりました。
まだ、食べさせてもらう身なのに
親に偉そうに言い困らせたりして、
本当に恥ずかしく、
心にジーンと来ました。
学級委員 になって
何一つ役に立つことが出来なくて、
すいません。
上に立つということは、
本当に難しいですね。
先生のお役に立たず、
反対に足を引っ張ったりして
すいませんでした。
もう二学期も残り少ないですが、
私なりに最後まで
精一杯頑張りますので、
先生も気がつけば、
どしどし注意なり
アドバイスなりを下さい。
よろしくお願いします。
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この間の
「校外学習」の日に、
行きの電車の中で
君に見せて貰った
武者小路実篤(むしゃのこうじさねあつ)の
『友情』、
何年ぶりだったろう、
『友情』を読み返したのは。
中学校時代に、
『友情』
『愛と死』
『お目出度き人』
『幸福者』
『或る男』
『人生論』
全部覚えてしまう位読んだ。
そして
“白樺派”というレッテルが
ぼくについた。
むろん
志賀直哉も大好き。
『暗夜行路』
『和解』
『城之崎にて』……
よく読んだなあーー。
今は怠け者になって
あまり読まなくなった。
今読んでいるのは、
アメリカの作家で、
ノーマン・メイラーの
『ぼく自身のための広告(上巻)』。
メイラー自身の小説の
広告みたいなものだけど、
普通の小説より面白い。
話し変わって、
学級委員、
なかなかよく頑張ってくれている。
あと半月
よろしくお願いします。
クリスマス会、
いいですね。
計画を立ててください。
以上