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『 1年2組 学級日誌 』 (新長編小説)
・・・半世紀前の女子高校の学級日誌・・・
(昭和47〈1972〉年4月~48年3月まで)
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【10月13日(金) 晴 39番 HM】
M先生、重大ニュースなのだ。
私は友達から 相談 された事があるのだ。
それは友達が男の人から
交際 を申し込まれて
どうしようかな
というふうなことなのだ。
私もそんな事聞かれても分からない。
でも友達のいう事には
断ろうかなといっているのょ。
その理由はただ 両親がだめだ
と言っているんだけど、
そんな理由で断るなんてと思う。
でもコソコソ付き合うのも嫌らしいし
そしてその友達は本当は
付き合ってもいいと思っているらしいけど
両親がダメだから
ということなのょ。
だから私に
断るの付いて来て
と言っているのょ。
私は断るのを
付いていってあげるつもり。
私ってダメネーー、
なんの力もなくって。
でも私がもし友達の立場だったら
私も同じ事をしていると思う。
だって私の両親も
男の話なんかすると
「何言ってんのこの子は」
とくるものね。
まったく頭が固いんだから
(そんなに年でもないのに)。
でも両親は私の事を考えて
言ってくれてるのだけど……。
私には頭ごなしにダメだなんて。
どんな男の子かもどんな性格なのか
見たこともないくせにと私は思う。
どこの親でもこんなものかナァ。
でもものすごく理解がある
親だっていてるのにナァ。
そんな親を持っている子なんて
うらやましいな。
元の話しに戻るけど
本当に断ってしまっていいものかと思う。
M先生どう思う?
話しは変わって
私は 洋画キチ であり
ラジオキチ(深夜)なのであります。
ラジオの深夜放送なんかわりと聞いています。
特に 木曜日ヤングタウンなのであります。
誰が担当か分かりますか。
エエ分からないのーー
M先生これは絶対覚えてナァ。
だって私の憧れの君つまりパンダこと
谷村新司 君なのであります。
みんなラジオ向きの顔だなんて
パンダの事言っているけど
私はテレビ向きの顔だと思っています。
だってだって私の憧れの君なのだもの。
谷村新司イコール アリス なのです。
知っているでしょう
「明日への賛歌」っていう歌を
歌っているのであります。
一度聞いてやって下さい。
さようなら
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「M先生どう思う?」の返事だけど、
国によって
憲法や法律が異なり、
学校によって
校則が違うように、
家庭でも
教育方針や躾(しつけ)や決まりが違う。
家庭での決まりは、親
(保護者)と子供で決める。
子供が未成年の時は、
親が中心になって決めることが多い。
1年2組のこの間のHRのアンケートでは、
娘(君達)に「男女交際」を許している家庭は
「二十数人」で約50%ありました。
しかし、実祭に
「ボーイフレンド」が出来たということになると、
この数字も減るだろう
と思います。
というのは、
親にとって、
異性と付き合うのに対して、
すごく心配になるからです。
何が心配か?は、
この間のHRで話した
「思春期の性」や「勉学」のことになります。
「男女交際」については、
やはり家族会議
(親と子供で話し合うこと)が必要です。
その結果、
親が「ダメだ」というのでしたら、
やはり両親に従うべきでしょう。
何故なら、
親が他の誰よりもその子の事を知り、
愛しているからです。
そしてその子の責任は、
最終的に親が見るのですから。
しかし、諦(あきら)める前に、
話し合うべきです。
子供は親の言うことをよく聞き、
親も子供の言うことを聞き、
そこに初めて
“和”というものが出来ます。
断絶はいけません。
君の友達に 案 を出します。
この日誌の
「10月13日」以降に書きましたが、
ぜひ
『思春期の性の悩み』を保
護者と一緒に読んで見てください。
必ず、新しい道が見えてきます。
また、君も保護者と一緒に読んでみて下さい。
新しい道が開かれます。
間違いナシに!!!
以上