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『 1年2組 学級日誌 』   (連載小説)
      ・・・半世紀前の女子高の学級日誌・・・
     (昭和47〈1972〉年~48年)
【・・・日誌の初めのページ・・・】


  
【・・・・前書き・・・・】


 ちょうど人が本を読んでいる時や、

長い電話をしている時、

なかば無意識に、

あるいは感覚的に、

鉛筆やボールペンの動くまま、

本や紙の余白に、

三角形や多角形や円形などの

幾何学(きかがく)的模様(もよう)や、

木の葉や、花や、人間や、

名前を、落書きするように、

ぼくたちは、

このノートを埋めていこうと思う。


 だが、このノートは、

個人(プライベート)の日記ではない。


誰に読まれようと気にしないで

書いていきたい。


もし、自分の書いたページが、

家族や別のクラスの友人や

他校の高校生や大人や

先生に読まれ、

気になる人がいるならば、

それは書かない方がいい。


すべてオープンでいたい。

何のやましさもない

「学級日誌」でありたい。


ただし、

人を「中傷(ちゅうしょう)する言葉」や

「差別の内容」は禁止にしたい。

お互いが心に傷つくことは、

ナシにしたい。


「50年後」に読んでも、

さわやかな「学級日誌」でありたい。


「50年後」に、

生きているかどうかは、

分からないけれど……。



 だけど、

このノートを書く時、

別に気取る必要もないし、

嘘(うそ)を書く必要もない。


君がその時に感じ、

思っている事、

あるいは、

理想や夢や現実、

過去や未来や現在、

家族や友や教師、

家庭や学校や電車の中、

本や映画や音楽、

青春や友情や勉強、

クラスや学年やクラブ、ETC……、

何でもいいから書くのだ。


 それゆえに、

このノートは

一種の独り言を書くに

過ぎないかもしれない。

しかし、

その独り言は、

某月某日の君の独り言であることは

事実なのだ。

それは、

君が君自身を

みつめている事になるのだから、

まったくの無意味さは、

ないと思う。


   君が君自身を見つめる事は、

君がより自分を知ることになり、

一人の人間を知ることになる。

そして、

それは他の人間を

知ることにもなろう。


これが、

このノートを書く事の

「目的」である。


  昭和47年(1973年)4月7日(土) 雨

        入学式が終わって     担任 Mより


     

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